京都府立亀岡高等学校

京都府立亀岡高等学校

京都府亀岡市横町に位置する京都府立亀岡高等学校は、「亀高」（かめこう）の略称で地域に親しまれている公立の高等学校です。

沿革

本校の歴史は古く、明治37年（1904年）に開校した南桑田郡立高等女学校と、大正8年（1919年）創立の南桑田郡立実業学校を源流とします。これらの学校は、郡制廃止に伴いそれぞれ京都府立亀岡高等女学校、京都府立亀岡農学校へと改称されました。太平洋戦争後の昭和23年（1948年）、学制改革を経て、高等女学校は京都府立亀岡高等学校に、農学校は京都府立亀岡農業高等学校となります。同年10月には、この両校が統合され、改めて「京都府立亀岡高等学校」として新たなスタートを切りました。当初は全日制（農業土木科、普通科）と定時制（農業科、普通科）が設置されましたが、その後、商業科や家政科が加わるなど、学科構成は時代のニーズに合わせて変遷を遂げます。昭和40年（1965年）に定時制課程が廃止されたのを皮切りに、昭和50年代から60年代にかけて、商業科、農業科、農業土木科、家政科といった実業系の学科は募集停止・廃止となり、新たに京都府立南丹高等学校や京都府立農芸高等学校へ分離・継承されました。昭和60年（1985年）からは、教育制度改革に伴い普通科に第I類、第II類（人文・理数系）、第III類（芸術系）といった類型制が導入されます。平成期に入り、文理科系や数理科学科の設置と改編を経て、平成26年（2014年）には普通科第Ⅲ類が普通科美術・工芸専攻と名称を変え、令和2年（2020年）には数理科学科に代わり、文系・理系の枠を超えた探究を重視する探究文理科が新たに設置され、現在に至ります。

設置学科

現在、京都府立亀岡高等学校には以下の学科が設置されています。

普通科（アカデメイアコース、スタンダードコース）
普通科（美術・工芸専攻）
* 探究文理科

教育方針

本校は、生徒が「自ら学び、自ら鍛える」ことを重視し、変化の激しい社会に対応できる「たくましく学ぶ力」と、豊かな人間性を育む「豊かに人と結ぶ力」の育成を通じて、生徒一人ひとりが自身の「夢を拓く力」を育むことを目指しています。これにより、希望する進路の実現を強力に支援しています。

部活動

運動系、文化系、学術系と多岐にわたる部活動が活発に行われています。近年の実績では、ワンダーフォーゲル部がクライミング競技で全国大会に出場、陸上競技部は全国高等学校総合体育大会（インターハイ）や国民体育大会（国体）への出場や近畿大会での入賞など、目覚ましい成果を上げています。文化系では、吹奏楽部がアンサンブルコンテストで金賞を受賞、自然科学部がバイオサミットで審査員特別賞を受賞し、日本水産学会での研究発表も行っています。美術部はデッサンコンクールでの最優秀賞受賞や全国高等学校総合文化祭への出品、全国高校駅伝のポスター原画に採用されるなど、高い評価を得ています。

運動系クラブ：硬式野球部、剣道部、卓球部、男子ソフトテニス部、女子ソフトテニス部、男子バスケットボール部、女子バスケットボール部、男子バレーボール部、女子バレーボール部、ラグビー部、サッカー部、バドミントン部、陸上競技部、ソフトボール部、ワンダーフォーゲル部、硬式テニス部。

文化系クラブ：写真部、華道部、茶道部、演劇部、書道部、美術部、コミックアート部、合唱部、吹奏楽部、軽音楽部、放送部。

学術系クラブ：E.S.S.部、自然科学部、数学研究部。

著名な出身者・教員

旧制亀岡高等女学校の校長を務めた眞田範衞は、後に旧制灘中学校の初代校長となった人物です。卒業生には、政治・経済界から元大阪府警本部長の四方修氏や財務省幹部の新川浩嗣氏、元タカキュー社長の出口光氏などがいます。学問・教育分野では憲法学者の上田勝美氏、心理学者の上芝功博氏、経済学者の川勝昭平氏、医学者の栗山欣彌氏、予備校講師の出口汪氏、法学者の村上敬一氏などが著名です。文化・芸能分野では俳優の国広富之氏、西田良氏、マジシャンの雷人氏、初代アメリカ横断ウルトラクイズ優勝者の松尾清三氏、漫画家の望月ぱすた氏、田中光氏、内藤マーシー氏などが活躍しています。スポーツ界からはラグビー指導者の湯浅泰正氏が知られています。

進路状況

京都府立亀岡高等学校は、多様な進路に対応しています。近年の卒業生の進路状況を見ると、国公立大学への進学実績があり、京都府立医科大学、京都府立大学、京都教育大学など府内の大学に加え、関西圏や全国各地の大学へ進学しています。私立大学では、関西大学、同志社大学、立命館大学といった難関校から、京都産業大学、近畿大学、佛教大学、龍谷大学、京都橘大学、京都先端科学大学など、幅広いレベルの大学へ多数が進学しています。また、短期大学や各種・専門学校への進学も多く、特に看護系専門学校への進学者が毎年一定数見られます。就職を選択する生徒もおり、公務員となる卒業生もいます。このように、四年制大学をはじめ、専門的な学びや早期の社会参加など、生徒一人ひとりの希望に応じた多彩な進路を実現しています。

通学手段

JR嵯峨野線亀岡駅から徒歩約10分、京阪京都交通バスのグランド前バス停からは徒歩約1分と、公共交通機関を利用した通学に便利な立地です。

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