亀岡駅

亀岡駅：歴史と発展を続ける嵯峨野線の拠点

京都府亀岡市追分町谷筋に位置するJR西日本山陰本線の亀岡駅（JR-E11）は、多くの利用客で賑わう、地域住民にとって欠かせない交通拠点です。愛称である「嵯峨野線」の区間にも含まれており、観光客にとっても重要な役割を担っています。

歴史を刻む駅舎：明治時代から現代へ

亀岡駅の歴史は古く、1899年（明治32年）8月15日、京都鉄道の嵯峨駅（現在の嵯峨嵐山駅）から園部駅間の延伸開業によって誕生しました。当初は旅客と貨物の両方を扱う駅として営業を開始し、その後、1907年（明治40年）の国有化を経て、官営鉄道の駅となりました。

1909年（明治42年）には京都線に所属、1912年（明治45年）には山陰本線に編入されるなど、幾度かの変遷を経てきました。昭和天皇のお召し列車が停車した1951年（昭和26年）や、台風による浸水被害に見舞われた1972年（昭和47年）、2013年（平成25年）といった出来事も、駅の長い歴史の一部として刻まれています。

貨物と荷物の取り扱いはそれぞれ1980年（昭和55年）、1985年（昭和60年）に廃止されましたが、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化後も、西日本旅客鉄道の駅として、地域社会に貢献し続けています。1988年（昭和63年）には「嵯峨野線」の愛称が使用開始され、1998年（平成10年）には自動改札機が導入、2003年（平成15年）にはICOCAの利用が可能になるなど、時代の流れに合わせた設備の充実も図ってきました。

2008年（平成20年）には橋上駅舎が完成、同年に馬堀駅から亀岡駅間の複線化、2009年（平成21年）には亀岡駅から並河駅間も複線化が完了しました。これらの改良によって、駅全体の利便性が大きく向上しました。2018年（平成30年）には駅ナンバリングも導入され、現在に至ります。

駅構造と利便性：快適な旅の出発点

亀岡駅は、島式ホーム2面4線を有する地上駅であり、橋上駅舎を備えています。駅長が配置された直営駅として、嵯峨野線区間（丹波口駅～園部駅間）の各駅を管理しています。ICOCAをはじめとするICカードも利用可能です。

4つののりばのうち、1番のりばが上り本線、3番のりばが下り本線、2番のりばと4番のりばは中線と下り副本線として、それぞれ両方向の列車が発着します。普通列車の多くは亀岡駅で折り返しますが、2022年3月のダイヤ改正以降、昼間の普通列車はすべて亀岡駅で折り返し運行となり、園部方面への普通列車は快速列車のみとなりました。

駅舎は、2006年2月に老朽化のため取り壊され、仮駅舎を経て、2008年4月に新しい橋上駅舎が完成しました。橋上駅舎には改札口が1か所、南北自由通路にはエレベーター、エスカレーター、階段が設置され、バリアフリーにも配慮した設計となっています。南北自由通路は「のどかめロード」の愛称で親しまれ、北側には展望デッキも整備されています。駅構内には、亀岡市にゆかりのある人物や、市のマスコットキャラクターの音楽が流れており、地域色豊かな空間となっています。

充実のアクセス：周辺環境と交通網

亀岡駅周辺には、京阪京都交通のバス路線が多数乗り入れ、桂駅、京都駅、園部駅などへのアクセスが容易です。また、亀岡市コミュニティバスも利用可能です。多くのバス路線が南口と北口に発着し、亀岡市内はもちろん、周辺地域への移動にも便利です。

2022年度の1日平均乗車人員は約7,945人で、地域における重要な交通拠点としての役割を担っています。

亀岡駅からの出発：未来へ向かう

亀岡駅は、歴史と現代が融合した、活気あふれる駅です。今後も地域社会のニーズに応えながら、安全で快適な鉄道交通サービスを提供し続けることでしょう。

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