京都府立京都学・歴彩館

京都府立京都学・歴彩館：歴史と文化の宝庫

京都府立京都学・歴彩館は、京都市左京区に位置する、図書館、文書館、博物館の機能を統合した総合文化施設です。2016年に閉館した京都府立総合資料館の後継施設として2017年に開館し、歴史資料や学術資料を幅広く収集・公開しています。京都府立大学付属図書館としての役割も担っており、大学関係者だけでなく、一般市民にも開かれた学習・研究の場を提供しています。

多様な資料とデジタルアーカイブ

館内には、古文書、行政文書、写真資料など、実に約100万点もの資料が収蔵されています。これは、旧京都府立総合資料館の85万点に加え、京都府立大学・京都府立医科大学の附属図書館所蔵の書籍や学術雑誌2000種なども含めた膨大なコレクションです。

特に注目すべきは、デジタルアーカイブの充実です。2017年より東京大学史料編纂所と連携し、「陽明文庫」のデジタルデータ約5万コマを閲覧可能にしています。これにより、貴重な史料をオンラインで手軽に閲覧できるようになり、研究活動の活性化にも大きく貢献しています。

建物と施設

地上4階、地下2階建ての建物は、多様な機能を備えています。1階には484席収容可能の大ホールがあり、講演会やイベントなどに利用されています。2階には閲覧室、京都府立大学付属図書館、京都府立医科大学付属図書館下鴨館などが設置され、研究活動の拠点となっています。3階と4階には京都府立大学の教室などが配置されています。

ホールの貸館業務や施設管理の一部は、外部委託されていますが、資料収集・レファレンス業務、研究、展示などは京都府が直接運営することで、資料の質の維持管理と研究活動へのサポートを徹底しています。

貴重な文化財

京都府立京都学・歴彩館は、数多くの貴重な文化財を所蔵・展示しています。その中でも特に重要なのが、国宝に指定されている「東寺百合文書」です。奈良時代から江戸時代後期までの24,067通もの文書からなるこのコレクションは、日本の歴史研究にとって極めて重要な史料です。荘園制度や仏教史、経済史など、多様な側面から日本史の解明に貢献する貴重な記録が含まれています。

重要文化財にも指定されている資料も数多くあります。「東寺観智院伝来文書典籍類」、「革嶋家文書」、そして「京都府行政文書」など、それぞれが日本の歴史を紐解く上で重要な役割を果たしています。「革嶋家文書」は、鎌倉時代から大正時代までの800年にわたる家系文書がまとまって残っている点で、特に貴重な存在です。「京都府行政文書」は、明治維新以降の府の行政活動を伝える重要な資料です。

社会貢献

京都府立京都学・歴彩館は、単なる資料保管施設にとどまらず、地域社会への貢献にも力を入れています。歴史資料の公開・活用を通じて、地域住民の学習機会の提供や地域文化の振興に貢献しています。また、大学との連携を通して、人材育成にも貢献しています。

今後も、歴史と文化の継承と発展に貢献していくことが期待されています。

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