京都府立植物園

京都府立植物園：日本最初の公立植物園の100年

京都府立植物園は、1924年（大正13年）に開園した、日本で最初の公立植物園です。京都市左京区に位置し、24ヘクタールという広大な敷地に、約12,000種類、12万本もの植物が栽培・展示されています。その規模と植物の多様性から、国内でも有数の植物園として知られています。

歴史と変遷

植物園の敷地は、かつて上賀茂神社の鎮守の森の一部でした。大正天皇の即位を記念した大博覧会の開催地として候補に挙がったものの、実際には別の場所で博覧会が開かれ、その代替案として植物園の建設が決定されました。三井家の資金援助も受け、1917年（大正6年）に着工、1923年（大正12年）に開園しました。

第二次世界大戦後、1946年（昭和21年）から12年間、連合国軍に接収され、閉園を余儀なくされました。この間、園内の多くの植物や施設が損壊するなど、大きな被害を受けました。1957年（昭和32年）に返還され、その後、修復・整備を経て、1961年（昭和36年）に再開園しました。再開園後は、観覧温室の改築や「日本の森」エリアの造成など、様々な改修工事が行われ、現在に至っています。

近年では、入園者数の減少という課題にも直面しましたが、植物園職員の努力や、指定管理者制度の導入なども相まって、再び年間70万人以上の来園者を集める人気スポットとなっています。

園内の見どころ

園内には、バラ園、アジサイ園、植物生態園、ワイルドガーデン、ハナショウブ園、ツバキ園など、様々なテーマの庭園があります。それぞれの庭園では、季節の花々や、貴重な品種が鑑賞できます。

特に、国内最大級の規模を誇る観覧温室は、約4,500種類、2万5,000本の熱帯植物を展示しており、見どころの一つです。また、園内には、自然林が残された「半木の森」エリアがあり、京都の豊かな自然を感じることができます。この森には、上賀茂神社の境外末社である半木神社も鎮座しています。

その他、ユニークな施設として、「きのこ文庫」があります。これは、きのこの形をした野外図書館で、子供向けの図書が収められています。2023年には、マイクロソフト創設者ビル・ゲイツが選んだ書籍が展示されるなど、話題となりました。

アクセス

京都市営地下鉄烏丸線北大路駅、北山駅、および複数のバス停からアクセス可能です。また、有料駐車場も完備されています。

まとめ

京都府立植物園は、歴史と自然、そして人々の努力が織りなす、魅力あふれる植物園です。約100年の歴史の中で幾多の困難を乗り越え、現在も進化を続けています。四季折々の美しい景色と、多様な植物、そしてユニークな施設の数々を、ぜひ訪れてみてください。 多様な植物の展示に加え、自然林や歴史的な建造物、そしてユニークな施設が調和した、他に類を見ない植物園です。年間を通して多くのイベントも開催されているので、何度訪れても楽しめるでしょう。

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