京都扶持衆

京都扶持衆（きょうとふちしゅう）

室町時代、日本史における重要な集団として「京都扶持衆」が存在しました。これは関東地方や東北地方の武士たちが室町幕府の征夷大将軍と直接の主従関係を結び、特に京都の幕府から認められた者たちのことを指します。他にも「京都御扶持衆」という名称が使われることもあり、彼らは当時の政治情勢の中で特別な役割を果たしました。

この用語の起源は、渡辺世祐による学問的なものですが、史料には「京都御扶持者」や「京都御扶持之輩」という表現が見えます。そのため、京都扶持者という方が正確であるという意見も存在します。

歴史的背景

室町時代の日本では、関東地方を鎌倉公方が支配していました。鎌倉公方は将軍の代理としての地位を持っていましたが、次第に幕府と対立し、自身も将軍としての地位を望むようになりました。こうした鎌倉公方の権力拡大に対抗するため、幕府は彼と敵対する有力武士たちと直接の主従関係を築くことにしました。こうして成立したのが京都扶持衆です。

京都扶持衆に含まれる武士たちは、京都幕府に仕える一方で、鎌倉府に対しては出仕する義務がなく、鎌倉公方の指揮にも従いませんでした。彼らは直接、将軍の指揮下にあるため、反鎌倉公方活動を行うことが可能でした。特に4代将軍の足利義持の時代には、十数家の武士がこの地位に連なることになりました。

幕府は表向きには京都扶持衆の動きを批判しましたが、実際には彼らに対して経済的援助や支援を行っていたとされています。このため、京都扶持衆は幕府の意向に従って、反鎌倉公方の動きを活発に推進しました。

主要な武士たち

京都扶持衆には、甲斐の武田氏、常陸の山入氏、小栗氏、真壁氏、大掾氏、宇都宮氏、那須氏、小野寺氏、伊達氏、蘆名氏、南部氏、白河結城氏、および海道五郡の名が挙げられます。これらの家々は、鎌倉公方が上杉禅秀という武将によって攻められた歴史的経緯の中で、義持の命令を無視し、禅秀を支援したか、あるいは中立的な立場を取ったことが記録されています。

このような事情から、鎌倉公方は京都扶持衆に対して見せしめとして小栗満重を討伐する命令を下すこととなり（小栗満重の乱）、さらには協力者として他の扶持衆にも厳しい処罰を命じました。しかし、この行動は幕府からの反発を招き、義持はこれを「私戦」として問題視することになります。一時的な謝罪で事態は収束を見ましたが、幕府と京都扶持衆の対立は続いており、この緊張が永享の乱の引き金となったと考えられています。

その後の展開

永享の乱が引き起こされた結果、鎌倉公方は滅亡し、その後関東の支配者となった山内上杉家が幕府と親しい関係にあったことから、京都扶持衆は次第にその存在を失っていくことになりました。こうして京都扶持衆は自然消滅したと見なされています。

このように、京都扶持衆は室町時代の政治の中で重要な位置を占めていましたが、その運命は時代の流れに大きく左右されたと言えるでしょう。

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