京都芸術センター

京都芸術センター

京都市中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町に位置する京都芸術センターは、京都市における芸術文化の総合的な振興を目指して設立された拠点施設です。かつてこの地にあった京都市立明倫小学校の校舎と敷地を改修・活用し、2000年4月に開館しました。

設立の背景と目的

明倫小学校は、明治初期の1869年に京都の町衆たちの尽力によって開校した番組小学校の流れを汲む歴史ある学校でしたが、1993年に閉校しました。その跡地の活用について、京都市や芸術家、その他の芸術活動に関わる人々が連携し、京都市の芸術振興の中核となる施設として再生することが計画されました。この計画に基づき、元小学校の建物を生かした施設として京都芸術センターが誕生しました。その目的は、多分野にわたる芸術家の制作活動を支援し、芸術文化に関する情報を積極的に収集・発信すること、そして芸術家同士や芸術家と市民との交流を促進することにあります。

運営と主な活動

現在、京都芸術センターは公益財団法人京都市芸術文化協会が指定管理者として管理・運営を担っています。活動は前述の目的に沿って、以下の3点を柱として展開されています。

1. ジャンルを問わず、将来性のある若い世代の芸術家の創作活動を支援すること。
2. 多様なメディアを活用し、芸術文化に関する幅広い情報を集め、国内外に発信すること。
3. 芸術家同士、および芸術家と市民の間の交流を深める機会を提供すること。

館長は、多摩美術大学学長も務める建畠晢氏です。

具体的な事業内容

センターでは、伝統芸能から現代アートに至るまで、様々なジャンルの芸術事業が行われています。代表的な事業としては、多様な分野で活躍するアーティスト等を招いて開催される「明倫茶会」があります。また、館内の講堂やフリースペースを活用した演劇、ダンス、音楽などの舞台芸術公演、ギャラリー北・南を中心とした多彩な展覧会なども年間を通じて開催されています。

若手芸術家への直接的な支援として、審査によって選ばれたアーティストにセンター内の「制作室」と呼ばれるスタジオを無償で提供する制作支援事業を実施しています。さらに、国内外の文化施設と協力し、アーティストの招へいや派遣を行うアーティスト・イン・レジデンス・プログラムも展開。制作室を利用するアーティストが、その成果やプロセスを市民に公開したり、ワークショップを開催したりする「明倫ワークショップ」も、開館以来継続的に行われ、市民と芸術家を結ぶ重要な機会となっています。

施設と歴史

京都芸術センターの建物は、1869年開校の明倫小学校が1931年に鉄筋コンクリート造りに改築された旧校舎を改修・利用したものです。地上3階建て（一部4階）の内部には、アーティストの制作活動のための制作室、日本の伝統を感じさせる和室「明倫」、企画展や公募展が行われるギャラリー北・南、舞台芸術に適した講堂、多目的に利用できる大広間やフリースペース、芸術関連書籍などを収蔵する図書室、情報収集のための情報コーナー、そして喫茶を楽しめるカフェ（前田珈琲明倫店）などが設けられています。

歴史的な価値も高く評価されており、2008年には西館、南館、北館、正門及び塀が国の登録有形文化財に登録されています。

アート・コーディネーターの役割

京都芸術センターの事業を円滑に進めるため、専門職員としてアート・コーディネーターが配置されています。彼らは美術館や劇場とは異なるアートセンターという施設の特性を踏まえ、事業の企画・運営を担います。特に、将来を嘱望される若手アーティストの支援という施設の主目的に貢献するため、彼らの活動を支える人材育成の一環としても採用されています。任期は単年度契約で最長3年。ここでの経験を積んだ人材は、全国各地の芸術文化施設の運営などに携わっています。

アクセス

センターは京都市の中心部にあり、アクセスも便利です。
阪急京都本線 烏丸駅、京都市営地下鉄烏丸線 四条駅から徒歩約5分
京都市営バス、京都バス、京阪バス、西日本ジェイアールバス 四条烏丸停留所から徒歩約5分

所在地：京都市中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町546-2

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