京都高度技術研究所

公益財団法人京都高度技術研究所

公益財団法人京都高度技術研究所（こうえきざいだんほうじん きょうとこうどぎじゅつけんきゅうしょ）は、京都の産業と科学技術のさらなる発展を目的に設立された研究機関です。略称として「アステム（ASTEM）」あるいは「ASTEM RI／KYOTO」と呼ばれています。その設立には、京都府、京都市、地元の産業界、そして京都大学などが中心的な役割を果たしました。公的な性格を持つ公益法人として、多角的な活動を展開しています。

活動概要

アステムの活動は、主に二つの柱から成り立っています。

一つ目は、情報通信技術（ICT）をはじめとする先端科学技術の研究、開発、調査です。ソフトウェア技術やシステム技術などを活用し、未来を拓く技術シーズの創出や、その応用可能性を探ることで、京都における科学技術水準の向上と地域社会の発展に寄与しています。

二つ目は、地域産業、特にベンチャー企業や中小企業に対する総合的な支援です。経営革新や新規事業創出に向けた助言、技術的なサポート、創業支援、人材育成など、企業の成長を多角的にバックアップすることで、京都市内の中小企業の活性化と地域経済全体の振興を図っています。

沿革

アステムは、1988年（昭和63年）8月に財団法人として設立されました。

1989年（平成元年）には、ベンチャー企業の支援を開始するとともに、京都リサーチパーク東地区にASTEM棟が竣工・開所し、メカトロニクスやICT分野の研究開発が本格化しました。
1990年代には、京都市の情報ネットワーク運用管理を受託したり、情報網「洛中洛外」を稼働させるなど、自治体や地域に向けた情報サービスも展開しました。
1999年（平成11年）には京都市地域プラットフォーム事業を開始し、新事業創出支援体制を強化しました。
2000年（平成12年）には創業準備支援室「スタートアップベンチ」を開設し、創業間もない企業への支援を拡充しました。
2002年（平成14年）以降は、経済産業省や文部科学省、JSTなどの委託・補助事業を通じて、地域新生コンソーシアム研究開発や知的クラスター創成事業、地域結集型共同研究事業などを推進し、産学公連携の取り組みを本格化させました。
2005年（平成17年）4月には株式会社京都ソフトアプリケーション、2009年（平成21年）10月には財団法人京都市中小企業支援センターと統合し、産業支援機能と体制を一層強化しました。
2013年（平成25年）4月には公益財団法人へ移行しました。
同年には、地域イノベーション戦略支援プログラムやスーパークラスタープログラムなどの大型プロジェクトが開始され、京都市伏見区には新たな拠点となる京都市成長産業創造センター（ACT Kyoto）が開所しました。
その後も、京都市ライフイノベーション創出支援センターや京都市ソーシャルイノベーション研究所の開設など、新たな分野での支援体制を構築しています。

組織・体制

研究所内には、総務部をはじめ、地域産業の活性化を目指す地域産業活性化本部（中小企業成長支援部、企業特化型支援部、創業人材育成支援部、京都市ソーシャルイノベーション研究所など）、先端技術の研究開発を担う研究開発本部（ICT研究開発部）、そして産学公連携を推進する産学公連携事業本部（産学公連携企画部、京都市ライフイノベーション創出支援センター、地域イノベーション戦略推進部、スーパークラスター事業推進部、京都市成長産業創造センター内の成長産業創造部など）が設置されており、それぞれの機能に基づき、多様な事業を展開しています。

主要施設

研究所の活動拠点は主に以下の2箇所です。

ASTEM棟
所在地：京都市下京区中堂寺南町134 京都リサーチパーク東地区内
規模：地上10階・地下1階、延床面積 7,074.58 m²
1989年竣工、同年開所。
主に研究開発部門や管理部門が使用しています。

京都市成長産業創造センター（ACT Kyoto）
所在地：京都市伏見区治部町105 らくなん進都内
規模：地上5階・地下1階、延床面積 5,938.84 m²
2013年竣工、同年開所。
主に成長産業分野の企業支援や事業推進の拠点となっています。

基本財産

設立時の基本財産は3億円で、主な出資者は以下の通りです。

京都市：1億円（33.3％）
京都府：5千万円（16.7％）
地元産業界：1億1千万円（36.7％）
* その他：4千万円（13.3％）

アクセス

ASTEM棟へのアクセスは、JR嵯峨野線丹波口駅から徒歩約5分です。また、複数の市バス、京都バスのバス停からも徒歩圏内です。ACT Kyotoへのアクセスは別途確認が必要です。

公益財団法人京都高度技術研究所は、これまでの実績と体制を活かし、今後も京都の産業振興、技術革新、地域経済の発展に貢献していきます。

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