人形佐七捕物帖 (若山富三郎版)

人形佐七捕物帖シリーズの概要

『人形佐七捕物帖』（にんぎょうさしちとりものちょう）シリーズは、日本の著名な作家、横溝正史が創造した探偵小説を基にした映画作品です。このシリーズは、若山富三郎を主演に迎え、当時の新東宝および東映によって製作されました。新東宝では5作、移籍後の東映で6作が公開され、昭和の日本映画における重要な位置を占めます。

新東宝作品

新東宝でのシリーズは、1956年から始まりました。最初の作品は『妖艶六死美人』です。この映画は、中川信夫が監督を務め、赤坂長義が脚本を担当しました。出演者には日比野恵子、天知茂、杉山弘太郎などが名を連ねました。続く作品は以下の通りです：

1. 大江戸の丑満時（1957年4月17日）
- 監督：中川信夫
- 脚本：川内康範、真弓典正、赤坂長義
- 主な出演者：宇治みさ子、和田孝

2. 花嫁殺人魔（1957年12月28日）
- 監督：加戸野五郎
- 脚本：金田光夫

3. 浮世風呂の死美人（1958年6月1日）
- 監督：毛利正樹
- 脚本：金田光夫、文殊三郎

4. 腰元刺青死美人（1958年12月5日）
- 監督：山田達雄
- 脚本：金田光夫

新東宝作品においては、音楽を担当した渡辺宙明がそのキャリアの始まりをここで迎えました。渡辺は、監督からの要望に応じ、独特なギター音楽を制作し、このスタイルはその後も続けられました。

東映作品

その後、シリーズは1960年から東映によって製作が続けられ、さらに多様な作品が生まれました。この時期も若山富三郎は主演を務め、山崎大助や倉田準二などの監督が手掛けました。

1. 般若の面（1960年3月8日）
- 監督：山崎大助
- 脚本：結束信二

2. くらやみ坂の死美人（1960年3月22日）
- 監督：山崎大助
- 脚本：結束信二

3. 血染の肌着（1960年7月31日）
- 監督：山崎大助
- 脚本：結束信二

4. ふり袖屋敷（1960年8月24日）
- 監督：山崎大助
- 脚本：結束信二

5. 恐怖の通り魔（1961年8月1日）
- 監督：倉田準二
- 脚本：結束信二

6. 闇に笑う鉄火面（1961年8月13日）
- 監督：倉田準二
- 脚本：結束信二

このように、シリーズは多くの映画ファンに愛され続け、横溝正史の独特な世界観を映し出す重要な作品群として、日本の映画史に刻まれています。

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