今。

清木場俊介の通算10枚目となるシングル「今。」は、2008年4月23日にrhythm zoneレーベルからリリースされました。前作からわずか2ヶ月半という短いスパンでの発表となり、同日には自身初となるライブアルバム『清木場祭2007』も同時発売されています。また、本作は後にSPEEDSTAR RECORDSへ移籍する清木場にとって、rhythm zoneからの最後のシングル作品となりました。

このシングルは、パッケージデザインが異なる【CD＋DVD盤】と【CD盤】の2種類の形態で展開されました。【CD＋DVD盤】に付属するDVDには、表題曲「今。」のミュージック・ビデオ（2004年版と2005年版の2種類）に加え、2007年12月25日に行われたFC（ファンクラブ）ライブ『清木場祭2007』でのパフォーマンス映像、そして楽曲のレコーディング風景やそのドキュメンタリー映像が多数収録されており、当時の彼の制作過程やライブでの熱量を垣間見ることができる貴重な内容となっています。

表題曲「今。」は、清木場が本格的なソロ活動を開始する以前から存在していた、非常に思い入れの深い楽曲です。初期のライブにおいても既に披露されており、ファンの間では馴染みのあるナンバーでした。清木場自身は、この曲が生まれた背景について、「23歳だった当時の自分が、誰かにかけてもらいたかった、欲しかった言葉をそのまま歌にしたものだ」と語っています。彼の若き日の葛藤や願いが込められた、自己の内面と真摯に向き合ったメッセージソングと言えるでしょう。

本作には、この「今。」という楽曲の異なるバージョンが2つ収録されているのが特徴です。1曲目には新たにアレンジされた「今。＜2008 Version＞」が収められており、3曲目には原点とも言える「今。＜2004 Version＞」が収録されています。これらの異なるアレンジを聴き比べることで、楽曲が持つポテンシャルや時間の経過による表現の変化を感じ取ることができます。CDにはさらに「今。カラオケ」バージョンも収録されています。

シングルは、発売後のオリコン週間シングルランキングにおいて、2008年5月5日付で最高位9位を記録しました。これにより、清木場俊介はデビュー以来となる10作連続でのシングルチャートTOP10入りという、安定した人気とキャリアを証明する素晴らしい記録を達成しました。

収録曲のアルバムへの収録状況としては、「今。＜2008 Version＞」は翌年にリリースされたベストアルバム『清木場俊介 SONGS 2005-2008』に収録されていますが、オリジナル・アルバムには未収録です。「今。＜2004 Version＞」は、このシングル盤以外では公式なアルバムには収録されていません。その他、「今。」のライブ音源は『清木場祭2007』に、2014年発売のベストアルバム『唄い屋・BEST Vol.1』にはリアレンジ・リレコーディングされた音源が、さらにリミックスアルバム『唄い屋・REMIXES Vol.1』にはDJ KO-TAROによるリミックスバージョンがそれぞれ収録されています。

「今。」は、清木場俊介のソロキャリアにおける初期の重要なターニングポイントとも言える時期にリリースされた作品であり、彼の内面的なメッセージ性が色濃く反映された楽曲として、ファンにとって特別な意味を持つ一曲です。自己を鼓舞し、前に進む力を与えるこのメッセージは、多くのリスナーの心に響き、時代を超えて歌い継がれています。

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