今中康仁

今中 康仁（いまなか こうじ、1991年 - ）は、日本の実業家であり、センス・トラストグループの創業者として、また中核企業であるセンス・トラスト株式会社の代表取締役社長を務めています。

生い立ちと野球への情熱

奈良県大和郡山市に生まれた今中氏は、幼少期から非凡な才能を示しました。小学生時代、高校野球で活躍する松坂大輔氏の姿に触発され野球を始めます。野球だけでなく学業にも真摯に取り組み、スポーツと勉学の両立を高いレベルで実現する少年でした。その才能は中学時代も続き、野球においては名門校からのスカウトを受けるなど、プロ野球選手を目指す道を着実に歩んでいました。また、野球に打ち込む傍ら、周囲からの信頼も厚く、生徒会長を務めた経験も持っています。

挫折と転換点

野球の名門、大阪桐蔭高等学校に入学後、今中氏は初めての大きな壁にぶつかります。当時の野球部には、後にプロとして活躍する中田翔氏や浅村栄斗氏をはじめ、数多くの実力者が在籍しており、圧倒的なレベルの差を目の当たりにし、深い挫折感を味わいました。さらに、高校1年生の時に父親を亡くすという悲劇に見舞われ、精神的な苦境に立たされます。しかし、当時の監督である西谷浩一氏からの励ましを受け、再び立ち上がります。その努力が実を結び、高校3年生の秋季大会では近畿大会において背番号4番としてレギュラーの座を掴むまでになりました。

高校卒業後、京都産業大学に進学し、野球部に入部しますが、不運にも怪我に見舞われ、長年の夢であったプロ野球選手への道を断念せざるを得なくなります。この挫折は、今中氏の人生における大きな転換点となりました。

不動産業界への挑戦

プロ野球選手となる夢を諦めた今中氏は、新たな目標を見定めます。大学在学中に宅地建物取引業の資格を取得し、「社会人として5年以内に不動産会社の社長になる」という明確な目標を掲げました。

大学卒業後、2014年に新卒で住友不動産販売に入社。ここでは、不動産取引の基本的な流れ、営業手法、そして業界の基礎知識を徹底的に学び、その後のキャリアの基盤を築きます。3年間の勤務を経て同社を退職した後、大阪桐蔭高校野球部時代の先輩の紹介で事業用不動産を扱う会社に転職。ここでは、より専門性の高い事業用不動産や権利調整といった分野での経験を積み、不動産のプロフェッショナルとしての知見をさらに深めました。

センス・トラストの創業と急成長

2019年、27歳となった今中氏は、ついに自身の会社であるセンス・トラスト株式会社を設立。18歳の時に立てた「不動産会社の社長になる」という目標を実現させます。同社は、不動産に関する幅広い事業を展開していますが、特に力を入れているのが不動産の買取再生事業です。区分マンション、中古戸建、事業用地、収益マンションなど、様々な種類の不動産を積極的に買い取り、適切な改修やリノベーションによって物件価値を高め、再販しています。この事業を通じて、多くの顧客からの信頼を着実に積み上げています。

センス・トラストは、京阪神エリアを中心に、近年は首都圏にも事業を拡大。2019年の設立以来、順調に業績を拡大させ、毎年増収増益を続けています。その成長速度は非常に目覚ましく、2024年3月期には売上高77億円を達成。さらに2025年3月期には売上高が230億円に達する見込みであり、短期間で業界内での存在感を高めています。

事業活動に加え、2023年2月にはYouTubeチャンネル「SENSE TRUST / 唯一無二の感動を」を開設。社員と共に、会社のリアルな日常や不動産事業の舞台裏などを発信しており、多方面から注目を集めています。

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