今夜は好奇心!

『今夜は!好奇心』：視聴者の好奇心を刺激した情報番組

『今夜は!好奇心』は、1990年4月12日から1994年9月12日までフジテレビ系列で放送された人気情報番組です。前番組『なんてったって好奇心』のリニューアル版としてスタートし、愛川欽也と当時フジテレビアナウンサーだった笠井信輔の軽妙な掛け合いが特徴でした。

番組は当初、木曜日の19時台に放送されていましたが、後に月曜日の19時台へ移動。以降は最終回までこの時間帯で放送されました。ただし、月曜19時台はローカルセールス枠だったため、関西テレビなど一部の系列局では放送されず、関西地方では独立局のサンテレビなどで視聴可能でした。

番組では、社会問題や時事問題、様々な人間模様をドキュメンタリー形式で深く掘り下げた内容が特徴でした。視聴者の好奇心を刺激するような、多岐にわたるテーマが取り上げられ、幅広い年齢層から支持を集めました。

特に記憶に残る放送回としては、1993年7月12日放送の「豚を飼育する授業」のドキュメンタリーが挙げられます。大阪府の小学校で、担任教師（現・京都教育大学教授の黒田恭史氏）が、児童と共に豚を飼育し、最終的な豚の処分について議論する授業の様子が克明に描かれました。児童たちの葛藤や意見の対立、そして命の尊さについて考えさせられる内容に、大きな反響が巻き起こり、このエピソードは2008年に映画『ブタがいた教室』として公開されました。

また、1994年5月2日放送分では、F1ドライバーのアイルトン・セナがサンマリノGPで事故死したことを受け、番組内容は急遽変更。生放送に切り替え、事故現場からの衛星生中継を実施するなど、臨場感あふれる報道を行いました。

さらに、1993年には、山形テレビがテレビ朝日系列への移行を控えていた時期に、多くのフジテレビ系列局で放送された『なるほど!ザ・春の祭典スペシャル』がネットできない事態となりました。その代替として、山形県では3月29日放送の『今夜は!好奇心』が編成され、同県における事実上の最終回となりました。

2008年には、フジテレビ739で再放送が行われ、この際、番組初期の貴重な映像や、当時新人だった奥寺健や小島奈津子アナウンサーらの出演シーンも放送されました。また、笠井信輔アナウンサーが皇太子成婚パレードを取材した際の映像も公開されましたが、撮影に使っていたビデオカメラの電池切れというハプニングも明かされました。この再放送の中で、笠井アナウンサーは「10年後もこの番組の司会をしていたい」と発言していたことが注目されました。

『今夜は!好奇心』は、単なる情報番組にとどまらず、社会に問いかける内容や、視聴者の心に深く刻まれるような感動的なストーリーの数々を通して、多くの視聴者に支持され、日本のテレビ史にその名を刻む番組となりました。その影響力は、現在も様々な形で受け継がれていると言えるでしょう。

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