今木清志

今木 清志（いまき きよし）氏は、1962年8月5日生まれ、兵庫県姫路市出身のプロデューサー、演出家であり、現在は西日本短期大学メディア・プロモーション学科の教授、そして学科長として教鞭を執っています。東京大学文学部フランス文学科で現代フランス不条理演劇を研究し卒業後、テレビ業界へ足を踏み入れました。

1986年、テレビ朝日に入社した今木氏は、音楽番組やバラエティ番組のアシスタントディレクターを務めた後、情報番組のディレクターとなります。さらにその後、ドラマ制作部門へ異動し、プロデューサーとしてのキャリアを本格的にスタートさせました。長きにわたり、人気シリーズ「はぐれ刑事純情派」をはじめ、「土曜ワイド劇場」など、多岐にわたるジャンルのドラマ制作に携わり、その数は230作品以上に及びます。プロデューサーとして手腕を発揮し、「はぐれ刑事純情派」は第8回橋田賞を、「母とママと、私。」は第24回ATP賞優秀賞を受賞するなど、高い評価を得ました。ドラマ制作以外にも、営業局や広報局、編成制作局で管理職を歴任し、テレビ局の多様な業務に深く関わっています。

テレビ朝日での華々しいキャリアを積む一方で、2017年に心筋梗塞を経験したことが、今木氏の人生に大きな転機をもたらしました。「これまでの経験で得た学びを若い世代に伝えたい」という強い思いを抱き、定年を待たずに早期退職を決意。教育の道へ進むことを志します。

2020年、西日本短期大学メディア・プロモーション学科に教授として着任し、単身福岡へ移住します。当初は副学科長を務め、2022年には学科長に就任。「テレビドラマ論」や「ジャーナリズム論」といったメディアに関する専門科目を担当する傍ら、学科独自の取り組みとして学生によるアイドルユニット「西短MP学科さくら組」を結成し、そのプロデュースを手掛け始めます。コロナ禍において、歌を通じて人々に元気や癒しを届けたいというコンセプトのもと生まれたこのユニットは、地域に根ざした活動を展開し、複数の楽曲をリリースしています。

教育活動と並行して、2023年には「アイドル力 福岡発！ 西短MP学科が日本を楽しくする」で作家としてもデビュー。「アイドル力」をテーマにした書籍はシリーズ化され、その活動と考え方は、朝日新聞、日経新聞、東洋経済オンラインなど、様々なメディアでも取り上げられています。今木氏は、学生たちが表現活動を通じて成長し、社会で活躍するための実践的な学びの場を提供することに情熱を注いでいます。

趣味は演劇鑑賞で、学生時代から一貫して続けています。影響を受けた人物として、作家の横山秀夫氏、脚本家の山田太一氏、演出家の蜷川幸雄氏の名前を挙げており、これらの偉大なクリエイターたちからの影響が、氏の作品制作や教育に対する姿勢にも表れていると言えるでしょう。日本メディア学会に所属し、メディア研究者としての側面も持っています。

今木清志氏は、テレビドラマ界で実績を積み上げたプロデューサーから、未来を担う若者の育成に情熱を傾ける教育者へと転身し、その経験を活かして新たな挑戦を続けています。学生アイドルプロデュースや書籍執筆といった活動を通じて、メディアの可能性と人材育成の重要性を社会に発信し続けています。

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