今村正美

今村正美（いまむら まさみ / まさよし、1884年10月11日 - 1945年2月22日）は、日本の検察官、内務・警察官僚、弁護士であり、官選の滋賀県知事も務めた人物です。香川県丸亀市出身で、今村信美の次男として生まれました。

生い立ちと学歴

今村正美は、明治大学と日本大学の法科を卒業し、1905年11月には判事検事登用試験に合格しました。翌1906年7月には司法官試補として和歌山区裁判所および同検事局で実務を積みました。

キャリア

その後、大阪や岡山の地方検事を経て、山口県理事官、富山県警察部長、北海道庁警察部長、高知県書記官・内務部長、熊本県書記官・内務部長など、内務省の官僚として様々な要職を歴任しました。1927年5月には、熊本県内務部長から滋賀県知事に任命され、1928年6月までその任を務めました。しかし、その後休職し、1929年1月には朝鮮総督府慶尚北道知事に転任しました。同年12月には退官し、弁護士として新たなキャリアをスタートさせました。

著作活動

今村正美は、そのキャリアの中で行政法や司法警察に関する著作も残しており、学術的な側面も持ち合わせていました。主な著作として、『行政法要義』（1911年）、『実用司法警察学』（1913年）、そして国分丸治との共著である『司法警察學』（1924年）があります。

人物像

今村正美は、検察官、警察官僚、そして県知事と、多岐にわたる分野で活躍した人物であり、そのキャリアを通じて日本の行政や司法の発展に貢献しました。また、著作活動を通じて、後進の育成にも力を注ぎました。

参考文献

今村正美に関する研究は、阿部基治の『贖罪:公僕に徹した男 今村正美』（1998年）や、歴代知事編纂会編の『新編日本の歴代知事』（1991年）などに詳しい記述があります。また、秦郁彦編の『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』（2001年）や金子信尚編の『北海道人名辞書』（1923年）にも関連情報が掲載されています。

今村正美は、明治から昭和にかけての激動の時代を、様々な立場で日本の発展に尽くした人物として、歴史に名を刻んでいます。

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