今村義孝

今村義孝

今村義孝（いまむら よしたか、1908年3月2日 - 2006年10月18日）は、20世紀の日本において、地域史、特にキリシタン史研究に重要な足跡を残した日本史学者です。彼の生涯は、教育者としての側面と研究者としての情熱が深く結びついていました。

生涯

今村義孝は、1908年に熊本県飽託郡島崎村（現在の熊本市西区）に生を受けました。1930年に東京高等師範学校文科を卒業後、教育者としてのキャリアをスタートさせます。高田師範学校、熊本県立天草中学校（現熊本県立天草高等学校）、秋田師範学校と、様々な教育機関で教鞭を執り、次世代の育成に貢献しました。

1949年、今村は秋田大学に助教授として着任し、1952年には教授に昇進します。秋田大学では、長年にわたり教鞭を執り、1973年に定年退官。名誉教授の称号を授与されました。教育者としての活動と並行して、研究者としても精力的に活動し、地域史研究、特にキリシタン史研究において数々の業績を残しました。

今村義孝は、2006年10月18日に生涯を閉じました。没後、その功績を称えられ正四位が追贈されています。また、彼はキリスト教徒でもありました。

研究内容

今村義孝の研究は、地域史、特に天草と秋田におけるキリシタン史研究に重点が置かれていました。彼の研究は、単なる歴史的事実の収集に留まらず、キリシタン文化が地域社会に与えた影響や、人々の信仰のあり方を深く掘り下げたものでした。

著書としては、『蒲生氏郷』、『わが町の歴史・秋田』、『天草学林とその時代』、『近世初期天草キリシタン考』、『秋田のキリシタン』などがあります。これらの著書は、彼の研究成果を広く社会に伝えるとともに、地域史研究の発展に大きく貢献しました。

また、共編著として『日本の昔話 秋田むがしこ』や『秋田県の歴史』など、地域文化に関する書籍も手掛けています。これらの書籍は、地域の人々にとって貴重な文化遺産であるとともに、地域史研究者にとっても重要な資料となっています。

業績

今村義孝の業績は、地域史研究、特にキリシタン史研究において高く評価されています。彼の研究は、これまで十分に解明されていなかった天草と秋田におけるキリシタンの歴史を明らかにし、地域文化の多様性を再認識させるものでした。

また、教育者としても多くの人材を育成し、地域社会の発展に貢献しました。彼の教え子たちは、地域社会の様々な分野で活躍し、その精神を受け継いでいます。

今村義孝は、地域史研究の発展に大きく貢献しただけでなく、地域文化の担い手としても重要な役割を果たしました。彼の業績は、今後も地域史研究の発展に貢献し続けるでしょう。

著書一覧

『蒲生氏郷』日本の武将 人物往来社 1967　吉川弘文館・2015
『わが町の歴史・秋田』文一総合出版 わが町の歴史シリーズ 1981
『天草学林とその時代』天草文化出版社 1990
『近世初期天草キリシタン考』天草文化社出版 1997
『秋田のキリシタン』秋田大学史学会 2003
『日本の昔話 秋田むがしこ』編 未来社 1959　無明舎出版 2005
『日本の昔話 秋田むがしこ 第2集』今村泰子共編 未来社 1968
『秋田県の歴史』山川出版社 県史シリーズ 1969
『秋田藩町触集』全3巻 高橋秀夫共編 未来社 1971-1973
『新秋田叢書』全9巻（監修）歴史図書社 1971-1972
『写真集明治大正昭和秋田 ふるさとの想い出42』編 国書刊行会 1980
『天草・本渡の民話 熊本』今村泰子共編著 国土社 語りによる日本の民話 1988
戸部一憨斎正直『奥羽永慶軍記 復刻版』校注 無明舎出版 2005

記念論文集

『秋田地方史の研究』今村教授退官記念会編 金沢文庫 1973

もう一度検索