飽託郡

飽託郡（ほうたくぐん）

飽託郡は、1896年（明治29年）に飽田郡と託麻[[郡]]が合併して発足した、熊本県に存在した郡です。その領域は、現在の熊本市中央区の一部、東区の大部分、西区全域、南区の大部分、北区の大部分、そして宇土市の一部に及びます。この郡は、熊本市の発展とともに変遷を遂げ、最終的には1991年に消滅しました。

郡域

飽託郡は、発足当初、以下の地域を郡域としていました。

熊本市: 中央区の一部（白川以南、島崎・横手・黒髪・段山本町・坪井の一部）、東区の大部分（秋津新町・昭和町・花立・桜木・東野・秋津・沼山津・秋津町秋田・秋津町沼山津を除く）、西区の全域、南区の大部分（富合町御船手・富合町杉島を除く緑川以北）、北区の大部分（植木町各町を除く）
宇土市: 一部（走潟町）

これらの地域は、現在の熊本市をほぼ取り囲む形となっており、飽託郡が熊本市域の拡大に大きな影響を与えたことがわかります。

歴史

飽託郡は、その成立から消滅まで、以下のような歴史をたどりました。

1896年（明治29年）4月1日: 飽田郡と託麻[[郡]]が合併し、飽託郡が発足。当初は3町52村から構成されていました。旧飽田郡には池田村、花園村、河内村、高橋町、船津村、白浜村などが、旧託麻[[郡]]には本庄村、本山村、春竹村などが含まれていました。
1896年（明治29年）6月1日: 郡制を施行。
1898年（明治31年）8月26日: 硯川村、寺迫村、五町村が合併し、西里村が発足。
1899年（明治32年）4月1日: 日吉村と元三村が合併し、改めて日吉村が発足。
1902年（明治35年）4月1日: 河内村、船津村、白浜村が合併し、改めて河内村が発足。
1903年（明治36年）3月12日: 部田村が御幸村に改称。
1906年（明治39年）4月1日: 春日村が町制を施行し、春日町となる。
1921年（大正10年）6月1日: 黒髪村、池田村、花園村、島崎村、横手村、古町村、本庄村、大江村、本山村、春竹村、春日町が熊本市に編入。
1923年（大正12年）4月1日: 郡会が廃止。郡役所は存続。
1925年（大正14年）4月1日: 出水村が熊本市に編入。
1926年（大正15年）7月1日: 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
1927年（昭和2年）9月13日: 有明海台風による高潮で小島村を中心に浸水被害が発生。
1931年（昭和6年）6月1日: 白坪村が熊本市に編入。
1932年（昭和7年）12月15日: 画図村が画津村に改称、同日熊本市に編入。
1936年（昭和11年）10月1日: 健軍村が熊本市に編入。
1939年（昭和14年）8月1日: 清水村が熊本市に編入。
1940年（昭和15年）1[[2月1日]]: 川尻町、力合村、日吉村が熊本市に編入。
1941年（昭和16年）1月1日: 中原村、沖新村、中島村が合併し、改めて中島村が発足。
1944年（昭和19年）2月11日: 城山村、池上村、高橋町が合併し、三和町が発足。
1949年（昭和24年）9月1日: 三和町の一部が分立し、池上村が発足。
1950年（昭和25年）5月1日: 三和町が分割され、城山村と高橋村がそれぞれ発足。
1953年（昭和28年）: 御幸村、田迎村、池上村、高橋村、城山村が熊本市に編入。
1954年（昭和29年）10月1日: 走潟村が宇土[[郡]]宇土町に編入。
1955年（昭和30年）: 供合村、広畑村、小山戸島村が合併し託麻村が発足。八分字村など6村が合併し飽田村が発足。松尾村が熊本市に編入。川上村と西里村が合併し北部村が発足。
1956年（昭和31年）: 託麻村の一部が熊本市に編入。河内村と芳野村が合併し河内芳野村が発足。中緑村など6村が合併し天明村が発足。
1957年（昭和32年）1月1日: 小島町と龍田村が熊本市に編入。
1958年（昭和33年）4月1日: 中島村が熊本市に編入。
1968年（昭和43年）4月1日: 北部村が町制を施行し北部町となる。
1970年（昭和45年）1[[1月1日]]: 託麻村が熊本市に編入。
1971年（昭和46年）: 天明村が町制を施行し天明町となる。河内芳野村が町制を施行し河内町となる。飽田村が町制を施行し飽田町となる。
1991年（平成3年）2月1日: 北部町、河内町、飽田町、天明町が熊本市に編入され、飽託郡は消滅しました。これは、熊本県内では1896年の郡の再編以来初、日本においては平成初の郡消滅となりました。

行政

飽託郡の行政は、郡長によって統括されていました。歴代の郡長については、詳細な記録が残っています。

変遷表

飽託郡の変遷は、町村の合併や熊本市への編入によって複雑に変化しました。具体的な変遷については、詳細な資料を参照してください。

脚注

飽託郡に関する情報は、多くの文献や資料に記載されています。詳細については、脚注を参照してください。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 43 熊本県、角川書店、1987年。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧

飽託郡の歴史は、熊本市の発展と密接に結びついています。郡の消滅は、地方自治体の再編という観点からも重要な出来事でした。

もう一度検索