今治商店街

今治商店街の概要

愛媛県今治市に広がる今治商店街は、中心となるドンドビ交差点から今治港にかけてアーケード街が続いています。この商店街は、どんどび商店街、常盤町銀座商店街、川岸端商店街、米屋町商店街、新町商店街、本町商店街、港町商店街という七つの商店街から構成されています。

かつては周辺に今治大丸や今治髙島屋、ニチイ、今治ショッパーズプラザ（ダイエー）などがあり、多くの来客で賑わっていました。しかし、近年はしまなみ海道の開通により船便の減少や郊外型ショッピング施設の進出などの影響があり、商店街の活気は失われつつあります。

各商店街の特色

本町商店街

本町商店街は、今治城の築城に伴い、商業活動が許可された「今治八町」の一つとして、最も古い商店街です。1973年に実施された土地利用調査によれば、呉服店と衣料品店が多数存在し、全店舗138件中約30%を占めていました。しかし、近年は後継者不足や和装需要の低下によって呉服店は減少し、空き店舗が増加しています。

銀座商店街・新町商店街

明治時代に商業活動が自由化された結果、銀座商店街と新町商店街は急成長を遂げました。今治港の開港や国鉄予讃線の開通を背景に、両商店街は多くの店舗が立地し、賑わいを見せていました。特に、芸予諸島からの訪問者が多く、港と市街地を結ぶ重要なルートとして機能していました。

しかし、しまなみ海道の開通以降、今治港を利用する航路が減少し、直接旧今治市に流入することが可能になったため、商業活動は次第に衰退してしまいました。銀座商店街では衣料品店や呉服店が多数存在していたものの、近年では空店舗が目立ち、その一部はマンションに転用されています。

新町商店街では食料品店や飲食店の数が多く、特に港に近いため水産加工品を扱う店舗が多く見られました。ところが、航路減少による顧客数の減少から、多くの店舗が閉店し、活気を失っています。

商店街の歴史

今治商店街の歴史は長く、その発展の過程には多くの変遷がありました。1952年には「土曜夜市」が始まり、その後も様々な店舗がオープンしました。1973年には大規模な商業施設が相次いで移転・開店するなど、地域経済の中心地として機能していました。しかし、2000年代に入り、経済環境の変化や顧客の嗜好が変わる中で、商店街の経営環境は厳しさを増していきます。2016年には活性化を目的とした「今治市まちなか活性化サロンぷらっと」が開設されましたが、2021年には新型コロナウイルスの影響で売上が減少し、地域の拠点的施設であった「まちなか広場 ほんからどんどん」が閉店に至りました。

現状と展望

今治商店街は、かつての活気を取り戻すための取り組みが求められています。地域の活性化を図る新たな施策やイベントの開催が期待される中、商店街が再び賑わいを迎える日を多くの市民が待望しています。

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