今泉定助

今泉定助とは

今泉定助（いまいずみ さだすけ）は、1863年3月27日に宮城県白石市で生まれた、日本の神道家、思想家、国文学者です。彼は、神宮奉斎会の会長や日本大学皇道学院の院長として、日本文化の振興に尽力しました。彼の生涯は、国文学と神道に関連した多くの活動で彩られています。今泉は、文久3年に仙台藩家老の今泉伝吉の三男として誕生し、名は定介（さだすけ）でしたが、後に定助に改名されました。

経歴の概要

明治7年、彼は白石神明社の佐藤広見の娘との養子縁組を経て、佐藤定介と名乗りますが、1890年に離縁。その後、東京大学文学部古典講習科に入学し、1886年に卒業しました。教職の道に進み、明治20年には東京府中学校（現在の都立日比谷高校）の教員となり、1890年には國學院（現在の國學院大學）で講師に就任します。

また、明治24年から続く数々の学校の校長としても活躍し、教育現場での影響力を高めました。彼は国書刊行会の設立を手がけ、神宮奉斎会の監督及び長として活動し続けました。大正から昭和時代にかけて、今泉は日本における皇道精神の普及に努め、国文学と神道の融合を図りました。

思想と影響力

今泉は、国体研究の権威として知られ、その講演は政府の重要な人々や学者たちにも大きな影響を与えました。彼は、川面凡児の実践的神道論に影響を受けつつ、「皇道」とは本居宣長以来の国文学的神道論に基づく信仰的な議論を含むとし、その重要性を訴えました。特に、彼は社会不安が広がる時代において、国民が皇道精神に基づいて国家再建に努めることの重要性を強調しました。

また、彼の講演には多くの政治家や経済界の要人が集まり、彼の見解は広く受け入れられました。しかし、これとは裏腹に、戦時中は彼の批判的な意見が政府の方針と対立し、著書が発禁処分されるなどの困難にも身を置きました。この中でも彼は、「真正なる国体的道義」に立つよう政府に求め続け、教育や啓発活動を行いました。

著作と遺産

今泉の著作には『皇道論叢』や『国体原理』などがあり、また彼は『皇道発揚』という雑誌を刊行していました。彼が編著した書物には『平家物語講義』や『土佐日記講義』、さらには『故実叢書』全41巻があり、これは有職故実に関する典籍・図版の集大成です。彼の知識は学問の枠を超え、多くの研究者に影響を与え続けています。

彼は1944年9月11日に逝去し、青山霊園に埋葬されています。彼の遺した言葉や思想、特に「世界皇化」の四字は、彼の象徴的な言葉として今日においても評価されています。今泉定助の影響力は、後世の研究や教育現場においても息づいています。

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