今福道夫

今福 道夫 - 動物行動学者

今福 道夫（いまふく みちお、1944年8月30日生まれ）は、日本の動物行動学の第一人者として広く認識されています。京都大学で名誉教授を務めており、動物行動に関する研究を通じ、人間と動物の関係性について深い洞察を提供しています。

略歴

今福は東京都で生まれ、1968年に東京農工大学の農学部を卒業しました。その後、1974年には京都大学大学院理学研究科の動物学博士課程を中退し、1976年には『ウミサボテンの活動リズムのメカニズムについて』というテーマで理学博士の学位を取得しました。

彼のキャリアの初めは、1979年に京都大学の理学部助手として始まりました。その後、1994年には理学研究科助教授に昇進し、2001年には教授に就任します。学問的な貢献を続けた後、2008年には定年退官し、名誉教授としての地位を確立しました。

著書・共編・翻訳

今福の執筆活動は多岐にわたります。1988年には『ヤドカリの殻交換』をさ・え・ら書房から発表し、続いて1998年に『ヤドカリの海辺』（フレーベル館）を出版しました。また、2018年には『おとなのための動物行動学入門』を昭和堂から発行し、その中で彼の動物行動に関する知識を幅広く紹介しています。

さらに、彼は共同編著者としても活躍し、1997年には『日本動物大百科 第7巻 無脊椎動物』（平凡社）を他の学者と共に責任を持って編纂しました。また、翻訳者としても 활동しており、1987年にはゲロルフ・シュタイナーの著作『動物絵あそび 直観でとらえる動物画』を翻訳し、2000年にはE・P・ウィドマイアーの『空飛ぶガチョウはなぜ太らないか ヒトと動物の進化戦略』を翻訳しました。さらに、2009年と2010年にはデズモンド・モリスの『赤ちゃんの心と体の図鑑』や『子どもの心と体の図鑑』に日本語版監修として関わっています。

論文と研究

今福は日本の動物行動学の発展に寄与する多くの論文を発表しています。彼の研究は動物の行動パターンや環境に対する適応を探求するものであり、動物行動の理解を深めることに貢献しています。特に、京都大学で行われている暗黒バエに関する研究は、その実験手法が注目されています。ショウジョウバエを恒常的な暗黒環境で継代飼育し、その行動を観察することによって、動物の生活リズムや行動メカニズムに関する新たな知見が得られています。

今福道夫の貢献は、動物行動学の分野のみならず、生物学全体に広く影響を与えており、今後もその業績は多くの研究者や学生に引き継がれていくことでしょう。

もう一度検索