デズモンド・モリス

デズモンド・モリス：動物[[行動学]]の第一人者にしてシュルレアリスム画家

デズモンド・モリス (1928年1月24日 - ) は、イギリスの動物学者、作家、そしてシュルレアリスム画家として知られる多才な人物です。バーミンガム大学、オックスフォード大学大学院で動物学を専攻し、著名な動物[[行動学]]者ニコ・ティンバーゲンの指導の下で研鑽を積みました。

ロンドン動物園で鳥類学研究部門長を務めた後、1960年代にはテレビ番組「Zoo Time」のプレゼンターとして脚光を浴びます。番組内でのチンパンジーの絵画パフォーマンスは、大きな話題を呼びました。モリスは、人間を「一生物種としてのヒト」と捉え、動物学的な視点から人間行動を分析。人間中心主義的な社会観や価値観に警鐘を鳴らしながら、動物としての私たちの姿を浮き彫りにしました。

彼の著作は、動物の知られざる特性や習性を紹介することで、人々の動物理解を深めることに貢献しています。中でも1967年に発表された『裸のサル (The Naked Ape)』は、世界的なベストセラーとなり、大きな議論を巻き起こしました。従来のキリスト教的な人間観を覆し、動物としてのリアルな人間像を描いたこの著作は、人類と類人猿の共通点、そして先史時代の生存戦略を進化論的な視点から解説した点が、当時大きな衝撃を与えたのです。

モリスは、動物を研究対象とするだけでなく、画家としても高い評価を得ています。初期にはジョアン・ミロらの展覧会に合わせ作品を発表し、1948年には初の個展を開催。以降、定期的に個展を開き、1957年にはロンドンのInstitute of Contemporary Artsでチンパンジーによる絵画・ドローイング展を主催するなど、精力的に活動しました。この展覧会には、コンゴという名のチンパンジーの作品も含まれており、動物と芸術の融合という新たな視点を開拓しました。さらに、1967年から1968年には、Institute of Contemporary Artsの理事長を務めるなど、芸術界にも大きな影響を与えました。彼のシュールレアリスム的な画風は、リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』や『盲目の時計職人』のイギリス版の表紙絵などでも見ることができます。

日本を訪れた際には、相撲観戦を体験。十両の取組では、力士の仕草から勝敗を8割方の確率で予測できた一方、幕内になると力士たちが巧みに勝利を演出するため、勝敗の予測が難しくなったという興味深いエピソードも残しています。

数多くの著作が日本語に翻訳されており、その内容は多岐に渡ります。『裸のサル-動物学的人間像』、『人間動物園』、『マンウォッチング-人間の行動学』、『ボディウォッチング-続マンウォッチング』、『ドッグウォッチング-犬好きのための動物[[行動学]]』、『キャット・ウォッチング-ネコ好きのための動物[[行動学]]』など、動物[[行動学]]に基づいた人間観察や動物理解に関する著作が多数存在します。その他にも、『美術の生物学-類人猿の画かき行動』、『モリス自叙伝-動物とわたし』、『動物との契約-人間と自然の共存のために』、『セックスウォッチング-男と女の自然史』など、幅広いテーマを扱った著書が出版されています。これらの著作を通じて、彼は私たち人間と動物、そして自然との関わりについて、多角的な視点から考察を深め、多くの読者に影響を与え続けています。彼の作品は、動物[[行動学]]、芸術、そして人間社会への深い洞察を提供し続けています。

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