仏眼清遠

仏眼清遠（ぶつげん せいおん）は、北宋時代の治平4年（1067年）に邛州臨邛県（現在の四川省成都市）で生まれた臨済宗楊岐派の禅僧です。俗姓は李氏。幼い頃に出家し、律と法華経を学んだ後、禅の道に入りました。

元豊3年（1080年）に出家後、江淮地方を行脚し、舒州大平寺（現在の安徽省安慶市）の五祖法演（ごそ ほうえん）の門下に入り、その禅風に深く感銘を受けました。法演の下で修行を重ね、ついにその法を継承し、楊岐下4世となりました。

その後、仏眼清遠は各地の寺院で住持を務め、その禅の教えを広めました。最初に住持を務めたのは天寧万寿寺（てんねい まんじゅじ）であり、その後、龍門寺（りゅうもんじ）や和州褒山寺（わしゅう ほうざんじ）でも住持を務めました。その卓越した禅の指導力により、仏眼禅師の勅号を授けられました。

宣和2年（1120年）の冬至の前日に示寂しました。15名の法嗣を育て、その中には西禅文璉（せいぜん ぶんれん）、竹庵士珪（ちくあん しけい）、雪堂道行（せつどう どうこう）などがいます。彼の教えは「仏眼禅師語録」としてまとめられ、後世に伝えられています。

仏眼清遠は、圜悟克勤（えんご こくごん）や仏鑑慧懃（ぶっかん えこん）と共に「東山の三仏」と称えられ、その禅風は当時の禅宗界に大きな影響を与えました。彼の禅は、機鋒鋭く、時に厳しく、時に温かいと評され、多くの修行者を悟りに導きました。その教えは、現代においてもなお、禅宗の重要な指針となっています。

参考文献
* 禅学大辞典編纂所 編 『新版 禅学大辞典』p.641　1985年

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