付加価値

付加価値とは

付加価値とは、生産活動によって新たに加えられた価値のことです。具体的には、総生産額から原材料費、燃料費、減価償却費などを差し引いた額を指します。減価償却費を差し引かないものを粗付加価値、差し引いたものを純付加価値といいます。

経済における付加価値

経済学において、財の価格は価値を意味します。生産活動によって商品の価格が原材料費などよりも高くなるのは、生産によって価値が付加されたためと考えます。企業の生産活動によって生み出された生産額から、原材料や燃料などの中間投入物を差し引いたものが付加価値として扱われます。

付加価値は、賃金、利潤、利子、地代、家賃などに分配されます。各生産段階で付加された付加価値の合計は、最終生産財の価格と等しくなります。

マルクス経済学における付加価値

マルクス経済学では、価値の源泉は労働であると考えます。労働力は特殊な使用価値を持ち、価値を生み出しますが、労働力商品の価値は再生産に必要な労働量によって規定されます。賃金は労働力の再生産費によって決まりますが、労働力は自己の再生産に必要な労働量（必要労働）以上に労働できるため、その差額（不払労働）が資本家の取り分、つまり剰余価値となります。

近代経済学における付加価値

近代経済学では、労働力も土地や建物、機械などの生産手段も、生産に必要な要素として区別されません。生産された付加価値は、各要素の限界生産力に応じて賃金や利潤などに分配されます。生産関数が規模に関して収穫不変であれば、限界生産力に比例した配分によって、付加価値は全て分配し尽くされることが保証されます。

工学における付加価値

工学における付加価値は、何らかの工程によって使用者が以前より良い状態になることを意味します。例えば、風力発電や太陽光発電では、風や光から電気が生成されます。この発電という工程によって、電気を使用する者にとっては、自然現象に対して付加価値が加えられたと考えることができます。

関連用語

付加価値税: 商品やサービスの販売額に課される税金。
付加価値再販業者: 自社のサービスや製品を組み合わせて、新たな価値を付加して販売する業者。
公共財: 道路や公園など、社会全体にとって有益な財。
国内総生産（GDP）: 一年間に一国で生み出された粗付加価値の総額。

外部リンク

* 付加価値 - コトバンク

もう一度検索