仙台北警察署

仙台北警察署

仙台北警察署（せんだいきたけいさつしょ）は、宮城県警察に所属する警察署の一つで、仙台市の北西部、特に青葉区の広大な地域を担当しています。仙台市中心部の官公庁街や商業地区、そして青葉山周辺といった仙台中央警察署の管轄区域を除いた青葉区の大部分がその活動範囲となっており、管轄面積は青葉区全体の実に96%に及んでいます。

所在地とアクセス

当署の庁舎は、仙台市青葉区昭和町3番13号に位置しています。公共交通機関を利用する場合、仙台市地下鉄南北線またはJR仙山線の北仙台駅から徒歩およそ5分という、アクセスしやすい場所にあります。

沿革

仙台北警察署の設置場所には、興味深いいきさつがあります。かつてこの地は、仙台市電の倉庫として利用されていました。その後、宮城県内のベッドタウン化が進む中で、特に宮城郡泉町（現在の仙台市泉区）や仙台市北部（現在の青葉区北東部）の人口が増加し、それにつれて仙台市中心部と泉町を結ぶ重要な動脈である国道4号（現在の県道仙台泉線）沿いに位置するこの場所は、仙台市営バス七北田営業所の車庫として活用されるようになりました。

一方、仙台都市圏北部の急激な人口増加は、当時この地域を管轄していた仙台北警察署（現在の仙台中央警察署）の業務量を増大させていました。これに対応するため、既存の仙台北警察署を分割し、新たな警察署を設置する方針が立てられました。そして、上記の市バス車庫用地が新警察署の建設地として選ばれました。これにより、（旧）仙台北警察署は「仙台中央警察署」と名称を変更し、新たにこの地に「仙台北警察署」が開署することになったのです。ちなみに、当地の市バス車庫は、1965年（昭和40年）に荒巻字三居沢から八木山に移転した仙台市八木山動物公園（当時の子供動物園）の跡地の一部へ移転しています。

仙台北警察署は、1966年（昭和41年）4月1日に業務を開始しました。その後、時代の変遷と共に庁舎の改築も行われています。1989年（平成元年）9月20日には、県道仙台泉線の拡幅工事に伴い、旧庁舎の北側に建てられた新庁舎へ移転しました。さらに、1990年（平成2年）には、前年の仙台市の政令指定都市移行を受けて、管轄区域であった泉区部分を分離し、新たに泉警察署が設置されました。この分割により、現在の仙台北警察署の管轄区域が定まりました。

組織と活動

当署は、地域の安全と秩序維持のため、様々な専門部署によって構成されています。内部には、警察署の運営を支える会計課や警務課、被疑者の管理を行う留置管理課があります。また、地域住民の生活に密着した犯罪や問題に対応する生活安全課、事件や事故の初動対応やパトロールを行う地域課、窃盗・強盗などの凶悪犯罪や知能犯、組織犯罪などを捜査する刑事第一課・刑事第二課、交通違反の取り締まりや交通事故の捜査を行う交通課、そして大規模な警備活動などを担当する警備課などが設置されており、それぞれの役割に応じて連携しながら日々の警察活動を展開しています。

地域拠点（交番・駐在所）

広大な管轄区域をカバーするため、仙台北警察署は複数の交番および駐在所を設置しています。これらの地域拠点は、警察官が常駐または巡回し、地域住民からの各種相談に応じたり、管轄区域内のパトロールを行ったりすることで、地域の安全確保に貢献しています。

主な交番としては、以下の場所が挙げられます。

木町通交番
八幡交番
宮町交番
小松島交番
通町交番
荒巻交番
双葉ヶ丘交番
中山交番
愛子交番
南吉成交番

また、以下の駐在所も管轄区域内に置かれています。

桜ヶ丘駐在所
熊ヶ根駐在所
* 大沢駐在所

これらの地域拠点が、仙台北警察署本署と連携し、きめ細やかな地域警察活動を可能にしています。

主な未解決事件

仙台北警察署が過去に捜査を担当した事件の中には、解決に至らず公訴時効が成立した事件も存在します。特に知られているものとして、1992年（平成4年）1月27日に岩沼市内で消息を絶った当時18歳の女性の事件があります。この女性は、約1年3ヶ月後の1993年（平成5年）4月27日に、仙台北警察署の管轄区域内である仙台市青葉区内で白骨化した遺体として発見されました。失踪から比較的早期に、被害者の自転車が伊具郡丸森町の小斎峠で発見されていたことから、当初より殺人事件として捜査が進められました。しかし、遺体発見が遅れたことによる死因特定困難、失踪場所、自転車発見場所、遺体発見場所が地理的に大きく離れているなど、様々な要因が重なり捜査は極めて難航しました。残念ながら被疑者を特定するには至らず、この事件は2007年（平成19年）1月27日午前0時をもって公訴時効が成立し、未解決のまま捜査が終結しました。

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