仙行寺

仙行寺（せんぎょうじ）

仙行寺は、東京都豊島区南池袋に所在する日蓮宗の寺院です。山号を松栄山と称し、旧本山は文京区の蓮華寺に属し、親師法縁を継承しています。また、雑司ヶ谷七福神の一つである福禄寿を祀る寺としても知られています。本院は神奈川県厚木市に位置する久遠山仙行寺であり、池袋の松栄山仙行寺は別院という位置づけです。

歴史

仙行寺の歴史は、明治41年（1908年）に善行院と仙応院が合併したことに始まります。当初は現在の文京区にありましたが、明治45年（1912年）に道路改修のため、池袋蟹窪（現在の豊島区）へ移転しました。しかし、昭和20年（1945年）の東京大空襲によって本堂を焼失するという困難に見舞われます。その後、昭和25年（1950年）に区画整理事業に伴い、現在の場所に移転し再建されました。木造の旧本堂は昭和40年（1965年）に建立されましたが、2011年の東日本大震災により地盤の状態が悪化したため、2018年に現在の本堂ビルとして再建されることとなりました。

構成

本堂ビル（池袋大仏）

現在の仙行寺は、「日蓮宗寺院 松栄山 仙行寺本堂ビル」として2018年に竣工した8階建てのビルが中心となっています。この本堂ビルは、屋内墓苑を併設した施設であり、3階から6階には参拝室と法要室が設けられ、7階には本堂があります。また、特筆すべきはビル1階から2階の吹き抜けに鎮座する池袋大仏です。この大仏は、手彫りで総ひのき造りであり、大佛師・渡邊勢山によって制作されました。高さは約4.6m、重さは約1.5tにも及びます。大仏は台座の雲の部分に通した支柱で背面の壁に固定されており、正面から見ると空中に約1m浮遊しているように見えるのが特徴です。大仏の内部には、約8,400以上の写経が収められています。


シアターグリーン

仙行寺は、社会事業の一環として、隣接する劇場「シアターグリーン」を演劇活動のために提供しています。この劇場は、地域文化の振興に貢献しており、多くの劇団や演劇ファンに利用されています。

参考資料

日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年)
東京都豊島区立郷土資料館編『豊島の寺院』豊島区教育委員会

関連資料

* 「仙行寺本堂ビル新築工事計画（仮）」建通新聞2017年01月31日付

仙行寺は、その長い歴史の中で様々な変遷を経て、現在のような姿になりました。特に、本堂ビルの再建と池袋大仏の建立は、現代的な寺院の在り方を示すとともに、地域の人々にとって心の拠り所となっています。

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