代々木ゼミナール本部校代ゼミタワー

代々木ゼミナール本部校 代ゼミタワー

東京都渋谷区代々木に位置する、代々木ゼミナールの拠点となる超高層ビルが「代々木ゼミナール本部校 代ゼミタワー」です。通称「代ゼミタワー」として広く知られています。この建物は、代々木ゼミナールのかつての本部校舎（旧本校）の老朽化が進んだことを受け、今後の中心となるべく計画・建設されたもので、地上26階、地下3階建ての威容を誇ります。JR線路に面した立地で、JR東京総合病院の裏手に位置しており、2008年4月に開校しました。

建設の背景と旧校舎の現状

代ゼミタワーが建設されるまで代々木ゼミナールの中心であった旧本校舎群は、建物の老朽化が顕著でした。これに代わる最新鋭の学習環境を備えた新校舎としてタワーが誕生しました。タワー開校後、旧本校の建物は役割を変化させました。例えば、旧本校の1号館、2号館、プラザ館は貸し会議室を展開する株式会社ティーケーピーに利用されています。プラザ館については、2010年8月からはY-SAPIX東大館としても使用されています。また、旧本校の5号館は「自習館」として生まれ変わり、全館を自習スペースとして提供しています。一方、本部校法人事務局や国際教育センターは、タワー開校後も旧本校の建物内に配置されています。

建物概要と内部施設

代ゼミタワーは、その超高層という特徴を活かし、多岐にわたる機能を内包しています。地下階は主に駐車場として利用され、1階から3階は来訪者を迎えるエントランス空間となっています。学習の中心となるのは2階から13階で、ここではライブ授業を行う教室、衛星放送授業（サテライン）に対応した教室、個別指導用のブースなどが設置されています。特に7階は現役生専用のフロアとして区分けされています。また、8階には講師室や生徒の進路相談に対応する部屋が設けられ、9階は教材研究センター、10階にはサテライン授業を支える事務局やスタジオが配置されています。集中して学習に取り組むための自習室は14階に設けられています。15階にはスカイレストラン「ベルビュラウンジ」があり、優れた厨房設備で2008年に優良賞を受賞した実績を持ちます。16階は特徴的なフロアで、空中庭園や「日日是決戦神社」といったユニークな施設があります。受験生の士気を高めるため、空中庭園の壁面には東京大学や早稲田大学、慶應義塾大学など難関10大学の写真と方向を示すポスターが掲示されています。さらに、17階にはサテライン放送を各地に配信するための地球局（サブ室）があり、18階から24階にかけては学生向けのレジデンスとして居住空間が確保されています。

タワーの1階部分には「代ゼミタワー アネックス」が併設されており、そこには「代々木ライブラリー」が設けられています。また、2階部分には難関校を目指す生徒向けの「東大エグゼクティブクラス」の教室が設置されています。過去には、2017年4月から2019年4月までの期間、N高等学校の代々木キャンパスがタワー内に入居していたこともあります。

名称と本部機能の変遷

開校直後の2008年4月頃には、「(新)タワー校舎」という表記も見られましたが、現在では主に「本部校」または「本部校 代ゼミタワー」という名称が使用されています。建物の正式名称は「専修学校代々木ゼミナール本部校」です。そして、2021年4月1日には、学校法人高宮学園の登記上の主たる事務所が正式に当地へ移転し、名実ともに代々木ゼミナールの本部校としての地位を確立しました。

受賞歴と外部利用

代ゼミタワーはその優れた構造やデザインが高く評価されており、2009年には日本建築構造技術者協会主催の第20回JSCA賞作品賞、日本免震構造協会主催の第10回日本免震構造協会賞・作品賞、建築業協会主催の第50回BCS賞（建築業協会賞）、日本産業デザイン振興会主催の2009年グッドデザイン賞と、複数の建築関連の賞を受賞しています。また、教育機関としてのタワーは、例年、東京医科歯科大学が大学入学共通テストや二次試験の会場として使用するなど、外部の機関にも利用されています。

アクセスと周辺環境

代ゼミタワーは交通の便が非常に良い場所に位置しています。JR東日本新宿駅のサザンテラス口からは徒歩約3分、都営地下鉄大江戸線新宿駅のA1出口から徒歩約2分、6出口から徒歩約3分です。また、JR東日本・都営地下鉄大江戸線代々木駅からも徒歩約5分、小田急線南新宿駅からも徒歩約3分と、複数の駅からアクセス可能です。近隣には、北側にニューステートメナー、東側にJR東京総合病院、南側にバロール代々木マンション、西側に秀和代々木レジデンスといった建物があります。

このように、代ゼミタワーは単なる予備校の校舎としてだけでなく、多様な機能を持ち、数々の賞を受賞するなど、その建築的価値も認められている、渋谷区代々木における新しいランドマークとなっています。

もう一度検索