代々木派

代々木派とは

「代々木派」とは、1960年代から1970年代にかけて、日本の政治分野で用いられた呼称であり、主に日本共産党およびその執行部を指します。この用語は、日本共産党を「日本を代表する共産主義政党」ではなく、単なる「一派」と捉えるニュアンスを含んでおり、主に日本共産党と対立する他の共産主義党派や共産主義者によって使用される傾向がありました。対義語として「反代々木派」があり、これは主に日本の新左翼などを指します。

呼称の由来

「代々木派」という名称は、日本共産党の本部（中央委員会）の最寄り駅が代々木駅であることに由来します。ただし、党本部の正確な所在地は代々木ではなく、隣接する千駄ヶ谷にあります。この名称には、日本共産党を単なる一派と見なす含みがあり、特に党と対立する勢力によって用いられました。例えば、日本共産党を除名された中野重治らは、対立党派として「日本共産党（日本のこえ）」を設立し、日本共産党を「日本共産党（代々木派）」と表記して区別しました。

類似の呼称として、各時代の党首名を用いた「宮本派」「不破派」「志位派」などがあります。

反代々木派

「反代々木派」は、主に共産主義者の間で、日本共産党またはその執行部に反対する勢力を指す言葉であり、日本の新左翼などが該当します。日本共産党側からは、「反代々木派」に対して「トロツキスト」、「ニセ左翼集団」、「ニセ「左翼」暴力集団」などの批判的な呼称が用いられました。

関連用語

類似の用語として、「代々木系」や「反代々木系」があります。これらは特に、日本共産党系と反日本共産党系の全学連などの学生運動を区別するために、マスコミや警察白書などで使用されました。具体的には、日本共産党の関連組織である日本民主青年同盟系が「代々木系」と呼ばれ、新左翼系が「反代々木系」と呼ばれていました。

まとめ

「代々木派」は、1960～70年代の日本政治における独特な用語であり、日本共産党とその支持者を指す一方で、党への批判的なニュアンスも含む言葉でした。「反代々木派」との対立は、当時の政治状況を理解する上で重要な要素であり、学生運動や他の共産主義勢力との関係性を把握する手がかりとなります。

参考文献

高沢皓司、佐長史朗、松村良一編『戦後革命運動事典』新泉社、1985年

関連項目

日本共産党 (曖昧さ回避)
* 極左暴力集団

もう一度検索