令和3年8月の大雨

令和3年8月の大雨について

2021年（令和3年）8月11日以降、西日本を中心に発生した大雨は、記録的な降水量と甚大な被害をもたらしました。この災害は、梅雨末期に近い気圧配置と活発な前線の影響が重なり、広範囲にわたって記録的な大雨となったものです。

概要

8月に入り、梅雨末期のような気圧配置となったことで、前線が活発化しました。特に九州北部では、8月11日からの降水量が1,000ミリを超える地域も発生し、1週間足らずで年間雨量の5割に達する場所も出るなど、各地で記録的な大雨となりました。この大雨により、河川の氾濫、土砂崩れ、道路の崩壊などが多発し、各地に甚大な被害をもたらしました。

また、鉄道やバスなどの交通機関が運休となり、高速道路や国道も通行止めとなるなど、交通網にも大きな影響が出ました。岐阜県加茂郡八百津町では竜巻が発生し、建物などに被害が出ました。

気象庁は、各地に「大雨特別警報」や線状降水帯の発生に伴う「顕著な大雨に関する全般気象情報」を発表し、警戒を呼びかけました。全国1029地点のアメダスで集計された旬降水量の総和は、8月中旬（11日 - 20日）で235,788.5ミリ（1地点あたり229.1ミリ）となり、これは平成30年7月豪雨（西日本豪雨）を上回る記録的な雨量でした。

政府の対応

8月13日、政府は首相官邸危機管理センターに設置していた情報連絡室を格上げし、官邸連絡室を設置しました。同日午前には、「西日本を中心とする大雨に関する関係閣僚会議」を首相官邸で開催し、当時の菅義偉内閣総理大臣は、記録的な大雨による災害発生を警戒するため、特定災害対策本部の設置を指示しました。同日午後には、棚橋泰文防災担当大臣を本部長とする特定災害対策本部が設置されました。

14日午後7時時点では、長野県、岐阜県、島根県、広島県、福岡県、佐賀県、長崎県の7県（82万世帯、181万人）に、翌15日の朝時点では千葉県、長野県、島根県、広島県、福岡県、佐賀県の6県（26万世帯、58万人）に「緊急安全確保」が発令されました。

その他、神奈川県足柄上郡山北町や松田町、富山県氷見市では1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降り、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

被害状況

総務省消防庁によると、この大雨により、全国で13人の死亡が確認されました。また、長野県、島根県、広島県、福岡県、佐賀県、長崎県の21市町村には災害救助法が適用されることになりました。

今回の災害では、広範囲にわたる地域で甚大な被害が発生し、多くの人々の生活に大きな影響を与えました。この災害を教訓とし、今後の防災対策に活かすことが重要です。

参考資料

[気象]]庁『[前線による大雨 令和3年8月11日～8月19日 (PDF)』
総務省消防庁『令和3年8月11日からの大雨による被害及び消防機関等の対応状況 (PDF)』

もう一度検索