仮面ライダーBlack PART⊗ イミテーション・7

『仮面ライダーBlack PART⊗ イミテーション・7』の概要

『仮面ライダーBlack PART⊗ イミテーション・7』は、1989年に島本和彦によって発表された短編漫画です。初出は同年4月10日に発行された『週刊少年サンデー』の30周年記念増刊号で、後に2011年12月27日発売の『仮面ライダーZO 完全版』に収められました。タイトルには大きく「仮面ライダーBlack」と記され、サブタイトルには「PART（○の中に×）イミテーション・7」が書かれており、特に（○の中に×）の部分の読み方ははっきりしていません。

本作は、石ノ森章太郎の漫画版『仮面ライダーBlack』や特撮ドラマ版を基にしており、外伝的な要素を持っています。物語では、メインキャラクターである仮面ライダーBLACK（南光太郎）が脇役となり、異なる視点からのドラマが展開されます。登場する仮面ライダーBLACKは、漫画版と実写版を融合したデザインで描かれ、南光太郎は実写版を演じた倉田てつをに似て表現されています。

あらすじ

物語の主人公は、ブラックダミーと名付けられたサイボーグに改造された青年、太刀川洋（たちかわ ひろし）。ブラックダミーは、仮面ライダーBLACKに対抗するための怪人を育成する目的で製造された存在であり、彼はほぼ実際の仮面ライダーと同じような身体能力を備えています。ただし、彼には世紀王の証である「賢者の石」は埋め込まれていません。

物語は、太刀川が「練習台」として割り切れない死の運命から逃れようとする場面から始まります。彼はゴルゴムが運営する訓練施設から逃げ出し、過去に率いていた暴走族のグループに戻ります。そこで、彼は非凡な力を使って再びグループのリーダーの座を握りますが、以前のように暴走行為に没頭することになります。

ある夜、太刀川は卓越したバイクライダーである南光太郎（仮面ライダーBLACK）にレースを挑みます。結果的に、太刀川は惨敗し、自分の限界を痛感することとなります。その後、太刀川の仲間たちが次々と襲われ、彼自身も恐怖にかられるものの、瀕死の仲間の懇願に心を打たれ、仇討ちを決意します。

物語は、突如現れる本物の仮面ライダーBLACKと共に、刺客たちと戦い、彼らを打倒するクライマックスへと進みます。この戦闘を通じて、太刀川は仲間たちへの思いを新たにし、自身の存在意義を見出していくのです。最後には、テレビ放送時のテーマソング「仮面ライダーBLACK」の歌詞とともにゴルゴム訓練施設が壊滅し、本作は完結します。

本作品は、仮面ライダーBLACKの語り直しとして、力強い友情や喪失の痛み、そして復讐の物語を描いています。読者はキャラクターたちの成長や葛藤に心を打たれると同時に、何が真のヒーローであるかを考えさせられる内容となっています。

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