仲倉重郎

仲倉 重郎

仲倉重郎（なかくらしげお、1941年8月21日 - 2023年6月29日）は、日本の映画監督、脚本家、そして作詞家として知られる人物です。彼のキャリアは数十年にわたり、日本の映画やテレビドラマに多大な影響を与えました。

生い立ちと教育

重郎は、旧朝鮮の黄海道に生まれ、第二次世界大戦後の1945年に日本に引き揚げました。三重県津市の親戚の家で生活する中、父が鉱山技師としての職を持っていたことから、富山県黒部市、神奈川県藤沢市、そして東京都武蔵野市と移り住むこととなりました。

東京都立新宿高等学校を卒業後、東京大学文学部に進学し、1965年に卒業。その翌年、松竹大船撮影所に助監督として入社し、名監督である野村芳太郎や加藤泰からの指導を受けることとなります。

映画監督としての道

1983年に『きつね』で監督デビューを果たし、その後1987年にフリーの監督として活動を開始します。監督作品には、2015年に公開された『マンゴーと赤い車椅子』があり、これは彼自身の脊髄損傷の経験を基にした感動的なストーリーが特徴です。この作品は、車椅子の女性を主人公としており、仲倉の人生に深く根ざしたテーマが映されています。

脚本家と作詞家としての活動

重郎は映画監督だけでなく、脚本家としても多くの作品に携わりました。私塾「アシモフ・シナリオゼミ」を設立し、南部英夫と共に脚本制作の指導に力を入れていました。また、子供向け番組での作詞活動を通じて、親しみやすい楽曲を多数発表しています。

テレビドラマへの貢献

彼のテレビドラマにおける活動も多岐に渡り、『刑事の愛した女』や『天平の王道〜真備と清麻呂』など、多くの視聴者に愛される作品を手掛けました。特に、『天平の王道』は第24回ギャラクシー奨励賞を受賞し、その質の高さが評価されました。

病気との闘いと影響

仲倉は1999年頃から病気により脊髄を損傷し、その後車椅子生活を余儀なくされます。しかし、この困難な状況も彼の作風に影響を与えることとなり、彼の作品にはより深い人間理解と柔軟性が見られるようになりました。

代表的な作品一覧

映画

• - きつね（1983年）
• - マンゴーと赤い車椅子（2015年）

テレビドラマ

• - 刑事の愛した女（1984年）
• - 天平の王道〜真備と清麻呂（1986年）
• - 沖縄恋唄 マングローブの島の女（1992年）

最後に

重郎は、その独特な感性と豊かな経験を活かし続け、日本の映画・テレビ界に多大な貢献をしました。2023年に逝去した彼の作品と精神は、今も多くの人々の心に深く刻まれています。

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