任侠野郎

映画『任侠野郎』の詳細

『任侠野郎』（にんきょうやろう）は、2016年6月4日に公開された日本のヤクザ映画である。本作は、バラエティ番組の演出を手掛けた徳永清孝が監督を務め、蛭子能収が初めて長編映画の主演を果たしたことでも注目を集めた。製作の際には「カッコイイ蛭子さんを撮ろう」というコンセプトが掲げられ、これまでのイメージとは異なる姿を引き出すことが目指された。

概要

蛭子は、映画内で高倉健を意識した演技を披露し、ヤクザの元若頭という役どころを真剣に演じている。アクションシーンも取り入れられているが、制作発表会では「吹き替えは一切なし」と語り、アクション監督の指導のもとカメラの前で自らの体を使って演じていることを明かした。このような真摯な姿勢が、蛭子の意外な一面を引き出す結果に繋がった。

あらすじ

かつて名を馳せた小里組の元若頭、柴田源治は、過去を清算し、堅気としての生活を送ることを決意し、移動販売のクレープ屋を営んでいた。しかし、昔の仲間との再会がきっかけとなり、彼は再びヤクザの抗争事件に巻き込まれていく。人間関係や過去の因縁が絡む中、源治はどのように自らの道を選び取るのかが物語の核となる。

ヤクザ組織について

映画ではいくつかのヤクザ組織が登場する。小里組はかつて関東で広く知られた組織だったが、ある事件をきっかけに解散。組員たちはそれぞれの道を選ぶ。正岡組は、小里組のライバルとして知られており、現在は平和協定を結んでいるものの、その先代組長を失った影響で力を失い、温泉の利権を巡って生き残りをかけた争いを繰り広げている。また、榊組は小里組の傘下で新興勢力として台頭している。

キャスト

映画に登場するキャストは多彩で、主役の柴田源治役には蛭子能収が配され、彼の過去の不良時代を大悟（千鳥）が演じている。正岡組の組長、正岡時子役にはトリンドル玲奈が、若頭・武藤役には橘ケンチ（EXILE）が起用されており、それぞれのキャラクターに深みを持たせている。榊組の組長・榊辰巳役には佐藤二朗が扮し、悪役として存在感を発揮している。

スタッフ・音楽

本作の脚本は福田雄一が手がけ、音楽は牧戸太郎が担当している。企画制作には日本テレビとKATSU-doが名を連ねている。主題歌はARCHAIC RAG STOREによる「LOVE SONG」で、挿入歌も蛭子自身が歌う「任侠野郎」に仕上げられている。

終わりに

『任侠野郎』は、ヤクザ映画の新たな可能性を感じさせる作品であり、従来のヤクザ映画に興味がある人はもちろん、新しいエンターテインメントを探している人にも楽しめる内容となっている。蛭子能収の意外な演技力やキャストの個性豊かな演技が織り成すドラマが、観客を魅了することでしょう。

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