伊万里市立東陵中学校

伊万里市立東陵中学校

伊万里市立東陵中学校は、佐賀県伊万里市松浦町提川に位置する市立の中学校でした。1993年に旧・大川中学校と松浦中学校が統合されて設立され、2023年には創立30周年を迎えました。しかし、32年の歴史を持つこの学校は、2025年3月末に閉校することが決まっています。それに伴い、同じ校地には新しい義務教育学校「東陵学園」が開校します。

歴史

統合と開校

伊万里市立東陵中学校は、1993年4月1日に開校しました。過去には、伊万里市立大川中学校と伊万里市立松浦中学校の2校が統合され、新たな中学校としてスタートしました。これにより、地域の教育環境が一層整備され、多くの生徒たちに学びの場が提供されました。

伊万里市立大川中学校は1947年に設立され、当初は大川村立の学校としてスタートしました。1954年の市制施行により伊万里市立大川中学校に改名され、その後も時代の変化に伴って様々な教育改革を進めてきました。一方、松浦中学校も同じく1947年に設立され、1965年からは完全給食を導入するなど教育の充実を図ってきました。

複雑な沿革

実際、この2校の沿革は多様な出来事に満ちています。大川中学校では、生徒数が一時736名に達したこともありましたが、1970年の立川鉱山閉山によって生徒数が激減し、275名にまで減少しました。これに対抗する形で生徒会活動を通じた地域の取り組みも果たされ、教育界にも強い影響をもたらしました。

一方、松浦中学校も生徒数の増加に対応するために、鶏舎を教室に改造したり、新校舎を建設したりと創意工夫を凝らしていました。これらの努力が、後の東陵中学校の基盤を築いたと言えるでしょう。

校魂と校訓

東陵中学校は「和」を校魂に掲げ、「進取」、「練磨」、「創造」といった校訓を大切にしていました。これらの理念は、生徒たちに健全な人間形成を促し、共同生活の重要性を教えるためのものでした。また、校章には中央に「中」の文字がデザインされており、学校のアイデンティティを象徴しています。校歌においても、歌詞の中で校名が繰り返し登場しており、生徒たちの愛着を深める要因となっていました。

終焉と未来

2025年、東陵中学校は閉校しますが、その校地は「義務教育学校東陵学園」として新たに生まれ変わります。このように、長い歴史を持つ学校が新たな形で再出発することは、地域の学校教育にとっても意義深い出来事です。跡地の活用や、新たな教育方針に基づく取り組みが期待され、多くの生徒に新しい学びの場が提供されることとなります。

校地はJR九州筑肥線の肥前長野駅にも近く、交通アクセスも良好で、地域社会に根ざした学校としての役割が継承されることが期待されています。周辺には松浦川や大黒大橋があり、自然環境も豊かです。

このように、伊万里市立東陵中学校の閉校は一つの歴史の終わりを意味する一方で、新しい教育の形を求める再出発の舞台でもあるのです。

もう一度検索