肥前長野駅

肥前長野駅（ひぜんながのえき）は、佐賀県伊万里市大川町大川野に位置する、九州旅客鉄道（JR九州）筑肥線の駅です。ひっそりとした佇まいの無人駅で、ローカル線の旅情を感じさせる雰囲気が魅力です。

歴史

肥前長野駅は、昭和初期に北九州鉄道の駅として開業しました。開業当初は長野駅（現・信越本線）との区別のため、「肥前」を冠した駅名となりました。

1935年（昭和10年）3月1日：北九州鉄道の駅として開設。
1961年（昭和36年）10月1日：貨物取扱を廃止。
1971年（昭和46年）3月31日：荷物扱いを廃止。同時に無人駅となる。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、JR九州へ移管。

駅構造

単式ホーム1面1線を有する地上駅で、こじんまりとした駅舎が特徴です。開業当時から使用されている古い木造駅舎は、長年風雨にさらされ、2000年代には荒廃が進んでいました。しかし、地元住民がJR九州から駅舎を買い取り、保護・保存活動に取り組んだ結果、往時の姿を取り戻しつつあります。

駅舎内には、自動券売機などの設備はありません。乗車券は車内または最寄りの駅で購入する必要があります。

構内には、地域の発展に貢献した堀田政太郎の功績を称える「堀田政太郎翁功労碑」が設置されています。これは、彼の地域社会への貢献を今に伝える貴重な遺産となっています。

利用状況

2011年度の1日平均乗車人員は22人と、利用者は多くありません。しかし、地域住民にとっては大切な交通手段であり、駅舎の保存活動からも、その重要性がうかがえます。

駅周辺

駅周辺は、のどかな田園風景が広がっています。住宅は比較的少ないですが、自然豊かな環境が魅力です。

淀姫神社: 松尾芭蕉の句碑が建立されています。歴史と文化を感じられるスポットです。
大陣岳: ハイキングや自然散策に最適な山です。山頂からは、伊万里市街や周辺の景色を一望できます。
伊万里市立東陵中学校: 地域の中核となる教育機関です。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）

■筑肥線
* 大川野駅 - 肥前長野駅 - 桃川駅

肥前長野駅は、多くの人に利用される駅ではありませんが、地域住民の努力によって守り続けられている、かけがえのない存在です。ローカル線の旅を楽しむ際には、ぜひ立ち寄ってみてください。地域の歴史と人々の温かさに触れることができるでしょう。

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