伊丹市立演劇ホール

伊丹市立演劇ホール、通称AI・HALLは、兵庫県伊丹市に位置する総合文化施設です。1988年11月にJR伊丹駅前に開館し、地域に根ざした文化発信拠点として親しまれてきました。しかし、施設の老朽化や維持費の増大、利用者の減少などを理由に、2026年3月末での閉館が決定しています。

概要

AI・HALLは、最大300席のイベントホールと、カルチャールームA・Bを備えています。演劇やコンテンポラリーダンスを中心に、多様な舞台芸術が上演されてきました。公演だけでなく、各種講座やワークショップを通じて、地域の人々に舞台芸術の魅力を伝え、教育機関と連携した子供向けの教育プログラムも展開してきました。これらの活動が評価され、2005年には第1回JAFRAアワード（総務大臣賞）、2014年には文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞しています。

閉館に至るまでには、紆余曲折がありました。2021年7月には、伊丹市が施設の廃止方針を打ち出しましたが、市民からの存続を求める声が広がり、市は方針を撤回。しかし、3年後の2024年11月、市は再度2025年度末での閉館方針を決定し、2025年3月26日の伊丹市議会で廃止条例が可決されました。

伊丹想流私塾・伊丹想流劇塾

AI・HALLの特色の一つとして、1996年から開催されている戯曲執筆講座「伊丹想流私塾」があります。劇作家の北村想が塾長を務め、多くの劇作家を育成し、OMS戯曲賞などの受賞者を輩出してきました。21年間続いた後、2017年に北村想が名誉塾長に退き、岩崎正裕が塾頭として「伊丹想流劇塾」と改名し、新たなスタートを切りました。

次世代応援企画 break a leg

若手劇団支援にも力を入れており、2012年からは「次世代応援企画 break a leg」を実施していました。これは、演劇・ダンス分野で活動する若手劇団を支援する事業で、公演会場費の免除やチケット収入の全額提供など、手厚いサポートが特徴でした。文化庁の補助事業として行われていましたが、ホールの存続問題による予算削減のため、2022年に終了しました。

施設

イベントホール
客席数：最大300席（可動床）、車椅子席あり
舞台面積：約357平方メートル
間口：18.9メートル
奥行：18.9メートル
楽屋：約30平方メートル、シャワー室：2室
カルチャールームA
面積：約100平方メートル
設備：フローリング、鏡、レッスンバー、音響設備
カルチャールームB
面積：約90平方メートル
設備：リノリウム、アップライトピアノ、ビデオプロジェクター、音響設備

アクセス

JR伊丹駅 西口前
阪急伊丹駅より東へ徒歩7分

長年にわたり、地域の文化を支えてきたAI・HALL。閉館は惜しまれますが、その精神は、多くの人々の心に刻まれ、未来へと引き継がれていくことでしょう。

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