北村想

北村 想（きたむら そう）のプロフィールと活動

北村想は1952年に生まれた日本の劇作家および演出家で、滋賀県大津市出身です。本名は北村清司であり、滋賀県立石山高等学校を卒業後、名古屋に移り住み、中京大学の演劇部で演劇活動を開始しました。1979年には劇団「TPO師★団」を立ち上げ、その後1982年に「彗星 '86」、1986年には「プロジェクト・ナビ」と続けて劇団活動を行いました。しかし、2003年に劇団は解散し、以降は「avecビーズ」というユニットを組織し、年間1作品のペースで新作を上演しています。彼は外部への作品提供も重ねており、幅広い活動を展開しています。

彼の作品は1980年代初頭から注目を集め、その先駆的な幻想的かつ終末的なスタイルが評価されています。代表的な作品には、1979年発表の『寿歌』や1984年に岸田國士戯曲賞を受賞した『十一人の少年』があります。また、1990年には『雪をわたって…第二稿・月の明るさ』が評価され、紀伊國屋演劇賞個人賞も受賞しています。こうした作品群は日本の小劇場演劇の新たなスタイルを築く一助となりました。

教育活動と受賞歴

1996年からは兵庫県伊丹市のアイホールにて、「伊丹想流私塾」を開設し、戯曲講座の塾長として後進の育成に貢献しています。2006年には、滋賀県民芸術創造館の館長に就任し、県民創作ミュージカル『フロタキコ』の脚本と監修を行い、成功を収めました。しかし、2007年に会議における発言を受けて、任期途中での退任を表明しました。この出来事にはいくつかの意見が飛び交いましたが、文化振興事業団は退任を受け入れる方針を示しました。

その後、2008年には小説『怪人二十面相・伝』が映画化され、さらに2014年には『グッドバイ』で第17回鶴屋南北戯曲賞を受賞しています。2020年には「名古屋を拠点に現代演劇を牽引し、演劇文化の発展に寄与した」ことが評価され、第73回中日文化賞を受賞しました。

メディア出演と著作

北村想はラジオやテレビの番組にも出演しており、例えば「星空ワイド 今夜もシャララ」や「北村想の救急万想考」などがあります。また、映画にも出演しており、『トキワ荘の青春』や『天使の卵』において役を演じました。

彼の著作も多岐にわたります。戯曲集としては『北村想の劇襲』や『十一人の少年』などがあり、小説や児童文学も手掛けました。息の長い活動を続け、多くの作品が彼の名を冠しています。

北村想はその独特な作風と多岐にわたる活動を通じて、日本の演劇界において不可欠な存在となっています。彼は今後も新たな作品を創出し、演劇文化の発展に寄与し続けることでしょう。

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