伊丹廃寺跡

伊丹廃寺跡について

伊丹廃寺跡は、兵庫県伊丹市緑ケ丘に位置する、奈良時代から鎌倉時代にかけて存在した仏教寺院の遺跡であり、国の史跡に指定されています。この遺跡は古代から存在が知られており、長年にわたる調査研究によって、その重要性が徐々に明らかになりました。

概要

伊丹廃寺跡の存在は、近世にはすでに認識されており、礎石や瓦の発掘が行われていましたが、本格的な発掘調査が始まったのは1958年のことです。この年、塔の水煙が発見されたことをきっかけに、以降8年間にわたって調査が実施されました。調査には高井悌三郎氏を主任として、甲陽史学会、京都大学考古学研究会、神戸大学考古学研究会の協力が得られました。

調査の結果、伊丹廃寺の伽藍配置が法隆寺とほぼ同等であることが分かり、東側には金堂、西側には五重塔が配置され、それらを回廊が囲む構造となっていることが確認されました。これにより、奈良時代前期に創建されたと推定されています。また、北側隣接地には陸上自衛隊伊丹駐屯地があり、その敷地内にも講堂らしい建物の跡が見つかりました。伽藍の東隣では、創建時期に関連する建物群の跡も確認されています。現在では、金堂や五重塔の基壇が復元され、史跡公園として一般に開放されています。

文化財

伊丹廃寺跡の伽藍跡は、1966年3月22日付けで国の史跡に指定されています。また、出土した水煙や塼仏、瓦などの重要な文化財も兵庫県の有形文化財に認定されており、これらの出土品は伊丹市立博物館に収蔵されています。この博物館では、伊丹廃寺跡に関連するさまざまな資料が展示されており、地域の歴史や文化を学ぶ貴重な機会が提供されています。

交通アクセス

伊丹廃寺跡へのアクセスは、伊丹市営バスの31系統を利用するのが便利です。このバスは、阪急伊丹駅やJR伊丹駅から出ており、「県高前」と呼ばれる停留所で下車すると、遺跡にすぐにアクセスできます。周辺の環境も整備されており、訪れる人々にとって心地よい散策が楽しめる場所となっています。

関連項目

• - 近畿地方の史跡一覧
• - 伊丹市立博物館
• - 甲陽史学会

外部リンク

• - 伊丹市ホームページ
• - 伊丹廃寺跡出土品（伊丹市立博物館）

伊丹廃寺跡は、古代の仏教文化を今に伝える貴重な遺跡であり、多くの訪問者が歴史の深さを感じ取ることができるスポットです。

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