伊予鉄道3000系電車

伊予鉄道3000系電車の概要

伊予鉄道3000系電車は、伊予鉄道の鉄道線で使用される通勤形電車で、2009年8月24日から営業運転を開始しました。この電車は、老朽化した800系電車と700系電車の一部を置き換えるために導入され、京王電鉄井の頭線から購入された3000系電車を改造して作られました。

導入の背景

導入にあたっては、京王時代にリニューアル工事を受けた比較的年数の若い車両が選ばれました。具体的には、クハ3700形、デハ3000形、クハ3750形を含む12両が2009年度と2010年度に、さらには2011年度に追加の6両が導入されました。これによって、郊外線では約60%の車両が新しくなりました。置き換えられることになった古い車両のうちのいくつかは、銚子電気鉄道に譲渡されています。

車両の仕様

3000系電車は、ステンレス製の構体を持つ18メートル級の両開き3扉車両です。前面部分は普通鋼製でカラーマスクが採用されており、リニューアル前は異なる色使いでしたが、伊予鉄道では導入当初からアイボリーに統一されています。側面には、伊予鉄道のシンボルカラーである濃淡オレンジの帯が施されていますが、前面には帯がありません。

行先表示器は字幕式で、ローマ字が併記されています。その右側には「IYOTETSU」のロゴがあります。もともと京王時代に用いられていた標識灯も残っていますが、普段は使われず、特定の臨時列車の際に使用される程度です。

また、2012年には伊予鉄道の125周年を記念して、特別なラッピングが施された「だんだん125編成」が運行されました。

車内の特徴

車内は、京王時代と同様のロングシートが採用されており、優先座席も設置されています。クハ3500形には車椅子スペースがあり、冷房は28度に設定された弱冷房車となっています。さらに、中間車両のモハ3000形には貫通扉が設けられ、乗降扉上部には車内案内表示装置が設けられています。ドアチャイムは取り付けられていません。

制御方式と技術

元々京王での制御方式は界磁チョッパ制御でしたが、導入時に最新のIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御に改造されています。これにより、省エネルギーと輸送力の向上が実現されました。主制御器は東洋電機製で、1200Aという高い出力を誇ります。また、空調装置は三菱電機製の集中式冷房が使われています。

塗装と更新

2017年からは、3000系電車も新しい橙色の塗装に変更され、アルピコ交通3000形と同じく、ステンレス製の車体に塗装されるスタイルが採用されました。そのほか、液晶式の車内案内表示装置への更新やLED灯への交換も行われ、Modernな改良がなされています。

将来の展望

600系と共に運行されているこのシリーズは、2025年2月には7000系が導入される予定ですが、これにより運行数が減ることはなく、両系統は併用され続ける見込みです。今後の展開にも注目が寄せられています。

もう一度検索