伊予鉄道7000系電車

伊予鉄道7000系電車

伊予鉄道7000系電車は、伊予鉄道の鉄道線用に導入される新型電車で、2025年2月からの運行開始を予定しています。この車両は、老朽化が進んだ京王の700系電車を置き換えるために開発されました。

車両導入の背景

700系は、平均車齢が55年以上の古い車両であり、更新が求められていました。そのため、伊予鉄道は新たな車両を導入する決定を下しました。しかし、先に設計した大型の譲受車両ではなく、67年ぶりに新型車両を製造することとなり、近畿車輛に製造を依頼しました。2023年1月にはデザインが決定され、その後、約1年半の時間を経て、2024年5月にはステンレス製の3扉・18m型の車体が完成しました。

この新型車両は、特に流線型の前面デザインにこだわり、都会的なフォルムが特徴です。2023年10月に車両の完成が確認され、11月2日には松山貨物駅へ輸送されています。その後、松山市駅にて2025年2月21日に行われる出発式に向け、様々な準備が進められているのです。

技術的な特徴

この7000系電車には、三菱製のハイブリッドSiC-VVVFインバータと回生ブレーキが搭載され、従来の700系電車と比較して約50％の電力で運行可能です。さらに、一部の電力は再生可能エネルギーを活用しています。

また、前面と側面の行先表示器はフルカラーLEDを採用し、車内の全乗降扉上部にはデジタルサイネージが設置されています。これにより、車内の案内表示や広告が行われるほか、監視カメラも各車両に設置され、安全面にも配慮がされています。

室内はLED照明が使用され、窓のサイズが拡大されている一方で、熱線吸収ガラスが採用されています。そのため、日除けカーテンは取り付けられておらず、網棚や中吊り広告も設置されていません。加えて、録音音源の再生機能により、外国からの訪問客向けに英語での案内も行われます。

車両のコストと導入計画

この新型電車の購入にかかる費用は約40億円と見積もられており、国庫補助金が活用される予定です。また、2027年2月までに6本、合計18両の3両編成が導入される計画ですが、導入後も従来の3000系と610系は継続して使用される見込みです。

運用と編成

7000系電車は、伊予鉄道郊外線の全路線で既存の車両と共に運用されます。順次、高浜線や横河原線、郡中線での運行も始まる予定です。2025年6月の時点で、3両編成が2本、計6両が在籍しています。

今後の運行により、地域の交通網のさらなる発展が期待されています。

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