伊勢丹ラグビー部

伊勢丹ラグビー部、正式名称Isetan Rugby Football Clubは、かつて株式会社伊勢丹を母体として活動した社会人ラグビーユニオンチームです。1959年に設立され、自前のグラウンドを持たずに活動を続けましたが、日本の社会人ラグビー界において確かな足跡を残しました。その歴史は40年以上に及び、2001年をもって惜しまれつつ活動を休止しました。

歴史

チームの歩みは1959年に始まりました。設立後、地道な活動を続け、1989年には当時日本の社会人ラグビーにおける有力リーグの一つであった東日本社会人リーグへの昇格を果たします。これはチームにとって大きな節目となり、以降、同リーグで他の強豪チームと熱戦を繰り広げました。東日本社会人リーグで活動を続けた後、最後のシーズンとなった2000-2001シーズンは関東社会人リーグ1部でプレーしました。そして、2001年、チームはその活動を休止することを決定し、約40年間の歴史に終止符を打ちました。

リーグ戦績

東日本社会人リーグ昇格後における、伊勢丹ラグビー部の主なリーグ戦績は以下の通りです。安定してリーグ中位を維持する一方、降格の危機に直面し、入替戦を経験したシーズンもありました。

1990-1991シーズン：東日本社会人リーグ 5位
1991-1992シーズン：東日本社会人リーグ 8位。入替戦に勝利し、リーグ残留を決めました。
1992-1993シーズン：東日本社会人リーグ 4位と、この期間での最高位タイを記録しました。
1993-1994シーズン：東日本社会人リーグ 5位。
1995-1996シーズン：東日本社会人リーグ 5位。
1996-1997シーズン：東日本社会人リーグ 5位。
1997-1998シーズン：東日本社会人リーグ 4位。再び最高位タイの成績を残しました。
1998-1999シーズン：東日本社会人リーグ 7位。このシーズンも入替戦を戦い、勝利して残留を果たしました。
1999-2000シーズン：東日本社会人リーグ 8位。このシーズンも入替戦となりましたが、残念ながら敗戦し、関東社会人リーグ1部への降格となりました。
2000-2001シーズン：関東社会人リーグ1部Aグループで3位の成績を収めました。このシーズンが、チームが公式戦に参加した最後のシーズンとなりました。

主な在籍選手

伊勢丹ラグビー部からは、多くの著名な選手が輩出されました。中には日本代表として国際舞台で活躍した選手も少なくありません。また、引退後に指導者として成功を収めた人物もいます。

石塚武生：日本代表として活躍し、後に伊勢丹の監督、早稲田大学ラグビー部監督を歴任しました。
小口耕平：日本代表に選出された実力派選手です。
ジョージ・コニア：日本代表としてもプレーし、指導者として三菱重工相模原ダイナボアーズのヘッドコーチを務めました。
吉田義人：日本代表の中心選手であり、7人制日本代表でも活躍。明治大学ラグビー部監督も務めました。
マーク・フィンレー：ニュージーランド代表経験を持つ、チームでも数少ない外国人選手でした。
アラン・テーラー
クリス・オニール
近藤洋：元監督としてチームを率いました。
山内智一
赤羽俊孝

結び

伊勢丹ラグビー部は、約40年間の活動期間において、自前の施設がないという環境ながらも東日本社会人リーグなど主要なリーグで強豪の一角として戦い、日本のラグビー界に貢献しました。数多くの優れた選手を育て、その名を歴史に刻みましたが、2001年の活動休止によりその歩みを止めました。伊勢丹ラグビー部の存在は、日本の企業スポーツの一つの例として、またラグビー史における一章として記憶されています。

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