伊勢市立小俣中学校

伊勢市立小俣中学校は、三重県伊勢市小俣町相合に所在する公立中学校です。清流として知られる外城田川の西側に位置し、地域の中核的な教育機関としての役割を担っています。2023年（令和5年）4月現在の生徒数は642名で、これは三重県南勢地区および津市内の公立中学校としては最も多い規模となっています。

概要

学校の敷地内には、教育活動を支える多様な施設が整備されています。主要な校舎は鉄筋コンクリート造りの3階建てが2棟、講堂は鉄筋コンクリート造りの2階建てです。これらの建物は、近傍にある陸上自衛隊明野駐屯地から発着する航空機の騒音影響を考慮し、国の法規に基づいた防音構造が採用されています。また、運動施設も充実しており、広々としたグラウンドに加え、25メートル・7コースを備えた水泳プール、そして9面のテニスコートが設けられています。これらの施設は、生徒たちの体育の授業や部活動、そして地域との交流にも活用されています。

沿革

本校の歴史は、1947年（昭和22年）4月15日に設立された小俣町立小俣中学校に始まります。同年5月5日に開校式が執り行われましたが、当初は小俣小学校の校舎の一部を間借りしてのスタートでした。翌1948年（昭和23年）6月1日には、学校再配置の方針により、城田村立城田中学校と統合され、組合立小城中学校となりました。この時期は城田小学校の校舎が使用されています。しかし、そのわずか1年後、1949年（昭和24年）3月31日には小城中学校が解散し、再び小俣中学校として独立しました。同年10月30日には新たな校舎が完成し、竣工式が挙行され、この日を学校の創立記念日と定めました。

その後も学校施設の充実に向けた取り組みが進められました。特に、騒音対策として重要な防音校舎の改築工事は、1975年（昭和50年）3月22日に完了しました。同年5月11日には、離宮院公園にてその竣工を祝う式典が行われました。時代が下り、平成に入っても改修工事は続けられ、1989年（平成元年）8月31日には本館校舎の大規模改修が完了。1991年（平成3年）8月31日には体育館の大規模改修が、そして1996年（平成8年）8月31日には校舎全体の耐震工事が完了し、施設の安全性向上と機能維持が図られました。2005年（平成17年）10月にも校舎の大規模改修が行われています。

自治体合併に伴う学校名称の変更も経験しています。2005年（平成17年）11月1日、小俣町が伊勢市と統合されたことに伴い、学校名も現在の「伊勢市立小俣中学校」に改称されました。教育制度の面では、2009年（平成21年）4月1日から従来の3学期制から2学期制へと移行し、教育課程の編成や学校行事の運営方法に変更が見られました。

学校区

本校の学校区は、基本的には伊勢市に編入される前の旧度会郡小俣町の全域と、一部の野村町を含んでいます。具体的には、小俣町内の元町、本町、宮前、相合、新村、湯田、明野の各地域と、野村町が対象となります。ただし、地域の実情に合わせた弾力的な運用も行われており、2008年度からは小俣町宮前の一部（県道鳥羽松阪線の南側区域）や、本来は桜浜中学校区である野村町の一部区域について、希望に応じて本校への就学を選択できるようになっています。

周辺環境・アクセス

学校の周辺には、伊勢市役所小俣総合支所をはじめ、伊勢市立明野小学校、伊勢市立小俣小学校、伊勢市立小俣幼稚園、伊勢市立小俣図書館といった公共施設や教育機関が集積しており、地域の文教地区としての性格も持ち合わせています。交通アクセスについては、東海旅客鉄道（JR東海）参宮線の宮川駅から徒歩およそ10分と比較的便利な立地です。また、伊勢市コミュニティバス「おかげバス」を利用し、「小俣総合支所前」停留所で下車することでもアクセス可能です。

特色・その他

教育活動以外にも、特色ある取り組みが行われています。例えば、2009年（平成21年）1月16日には、海外の学校との文化交流として、内モンゴル民族芸術学校との間で交流行事が実施されました。また、本校からはスポーツ分野で活躍する著名な人材も輩出されています。陸上競技選手の尾西美咲氏や、バドミントン選手の西本拳太氏などが、本校で学び、その後のキャリアを築いています。本校の詳しい歴史については、『小俣町史 通史編』や『小俣町史 続編』といった公的な資料にまとめられています。

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