伊号第一潜水艦 (初代)

伊号第一潜水艦の概要

伊号第一潜水艦（初代）は、日本海軍に所属する潜水艦であり、伊一型潜水艦の1番艦として知られています。この艦は1930年代から1943年にかけて活躍し、特にガダルカナル島への輸送任務中に沈没したことが記憶されています。

建造の背景

この潜水艦の建造は大正10年度にさかのぼりますが、ワシントン海軍軍縮条約の影響により当初の計画は変更され、最終的に1923年から川崎造船所で建造が始まりました。進水は1924年10月15日で、1926年に竣工し、横須賀鎮守府に配備されました。

演習と活動

伊号第一潜水艦は、竣工後、すぐに各種演習や任務に参加しました。1937年には姉妹艦と共に長江河口沿岸での作戦行動を行うなど、海上防衛の要としての役割を果たしました。そして、1941年には太平洋戦争が勃発し、本艦は攻撃作戦に従事することになります。

真珠湾攻撃

本艦は、1941年12月の真珠湾攻撃においても重要な任務を負っていました。カウアイ島沖合で哨戒任務を遂行し、その後もハワイ近海で敵艦船の探索を行いました。特にヒロ湾への砲撃では、米水上機母艦に命中させるなどの戦果を挙げました。

沈没までの道のり

1942年から1943年にかけて、伊号第一潜水艦はオーストラリア西岸での通商破壊作戦に参加し、多くの商船を狙いましたが、数度の機械トラブルに悩まされました。それでも、敵艦船への攻撃を続け、多くの貨物船を沈めることに成功しました。

ガダルカナル島への輸送任務

1943年1月、伊号第一潜水艦はガダルカナル島への輸送任務に向かいます。この任務は急を要するもので、艦は連日のように海上を航行しました。しかし、1943年1月29日、ガダルカナル島近くでニュージーランドの掃海艇から攻撃を受け、損傷します。

その後、艦長が戦死し、自らの指揮で乗員たちが沈没を免れるための奮闘を強いられました。最終的に、本艦はカミンボ沖で座礁し、大きな浸水を受けて放棄されました。

沈没後の処理

沈没後、艦内に存在した機密書類の一部が回収されましたが、ほとんどは処分されていなかったため、敵軍に知られてしまいました。その後、日本軍は艦の処分を決定し、艦体には爆雷が投下され試みたものの、完全な破壊には至りませんでした。

1943年4月1日に本艦は正式に海軍の艦艇名簿から除籍され、その後、1972年にオーストラリアのトレジャーハンターによって艦の一部が発見されました。しかし、艦首部分は損傷していたものの、艦体の一部は沈んだままで現在に至っています。

結論

伊号第一潜水艦は、その歴史と功績から日本海軍における重要な存在でしたが、戦争の激化とともに沈没する運命にありました。艦の活動は軍事史の一部として今も多くの人々に語り継がれています。撃沈された商船の数や艦体の詳細など、その後の調査によって多くの資料が明らかになり、日本軍の戦略にも影響を与えたことが分かります。

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