伊号第五十五潜水艦

伊号第五十五潜水艦について

伊号第五十五潜水艦は、大日本帝国海軍が建造した潜水艦です。この艦は、伊五十二型[[潜水艦]]（丙型改潜水艦）の最後の艦として、その歴史に名を刻んでいます。初代の伊55については、伊号第百五十五潜水艦、または伊百五十三型潜水艦の項目を参照してください。

艦歴

伊号第五十五潜水艦は、1941年（昭和16年）の昭和17年度計画（マル追計画）に基づき、呉海軍工廠で建造が開始されました。1942年6月15日に起工され、1943年4月20日に進水、そして1944年4月20日に竣工しました。竣工後は呉鎮守府に所属し、訓練部隊である第六艦隊第11潜水戦隊に編入されました。

1944年6月30日、伊号第五十五潜水艦は呉を出港し、7月1日に横須賀に到着しました。その後、7月7日に運砲筒を積み、横須賀を出港。テニアン島の第一航空艦隊司令部への輸送任務、および飛行機搭乗員の救出、守備隊への補給という重要な任務を担うことになりました。7月10日には、第15潜水隊に編入されています。しかし、7月13日0040、「15日夜、テニアン島着の予定」という電報を最後に、消息を絶ってしまいました。

アメリカ側の記録によれば、13日2120、米哨戒機がサイパン島近海で潜航中の潜水艦を発見しました。この通報を受け、上陸輸送船団を護衛していた米高速輸送艦ギルマー(USS Gilmer, DD-233/APD-11)と米護衛駆逐艦ウィリアム・C・ミラー(USS William C. Miller, DE-259)の2隻が現場に急行しました。14日0022、2隻は潜水艦が発見された海域に到着し、潜水艦の捜索を開始しました。7時間後、ウィリアム・C・ミラーが自艦から約1500mの位置に潜航中の潜水艦を探知し、0726と0752にそれぞれ爆雷13発ずつを投下しました。その結果、0804にウィリアム・C・ミラーの右舷船首から約450m離れた海面に木片が浮かび上がり、その1分後には海中での爆発音が確認され、その衝撃でウィリアム・C・ミラーの船体が揺さぶられました。そして、海中から気泡が上がってくるのを確認したウィリアム・C・ミラーは、止めとして0806に爆雷13発を一斉に投下しました。その結果、重油の流出が確認され、コルク片、木片、日本海軍のものと思われる帽子が浮かび上がってきました。これが、伊号第五十五潜水艦の最期となりました。

艦長の井筒紋四郎少佐以下、乗員112名全員がこの戦闘で戦死しました。沈没地点はサイパン島近海、北緯15度18分 東経144度26分と記録されています。1944年7月15日、伊号第五十五潜水艦はテニアン島付近で喪失と認定され、同年10月10日に除籍されました。

歴代艦長

艤装員長
井筒紋四郎 少佐：1944年3月5日 -
艦長
井筒紋四郎 少佐：1944年4月20日 - 7月14日戦死

参考文献

雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
* 福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1

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