伊号第五十四潜水艦

伊号第五十四潜水艦について

伊号第五十四潜水艦（いごうだいごじゅうよんせんすいかん）は、大日本帝国海軍が建造した潜水艦です。この艦は、伊五十四型[[潜水艦]]（乙型改2潜水艦）の1番艦であり、同型艦の中核をなす存在でした。艦名としては二代目にあたります。

艦歴

1941年（昭和16年）の昭和17年度計画（マル追計画）に基づき、横須賀海軍工廠で1942年7月1日に起工されました。その後、1943年5月4日に進水し、1944年3月31日に竣工しました。竣工後は、横須賀鎮守府に籍を置き、訓練部隊である第六艦隊第11潜水戦隊に編入され、訓練に従事しました。

1944年7月6日、「伊54」は横須賀を出港し、サイパン島へ向けて運砲筒の輸送任務に就きました。しかし、7月9日にサイパン島が陥落したため、目的地をテニアン島に変更しました。しかし、同日、輸送していた運砲筒が波にさらわれて沈没し、輸送任務は失敗に終わりました。7月10日には、第15潜水隊に編入されました。その後、7月24日に横須賀に帰投しました。

その後、「伊54」は捷号作戦の発動準備のため、呉に移動しました。10月13日に呉を出港し、フィリピン東方海域に進出しましたが、10月23日の艦位連絡を最後に消息を絶ちました。

アメリカ側の記録によると、10月28日12時28分、フィリピン東方沖合において、第38任務部隊を護衛していた米駆逐艦「グリッドレイ (USS Gridley, DD-380)」と「ヘルム(USS Helm, DD-388) 」が潜水艦を発見し、爆雷攻撃を実施しました。その結果、14時14分に撃沈されたと記録されています。これが「伊54」の最期であり、艦長の中山伝七少佐以下、乗員107名全員が戦死しました。沈没地点は、フィリピン東方沖合の北緯10度58分、東経127度13分です。

1944年11月20日、比島東方海面で喪失と認定され、1945年3月10日に除籍されました。

歴代艦長

艤装員長
大橋勝夫 中佐：1944年2月10日 -
艦長
大橋勝夫 中佐：1944年3月31日 -
中山伝七 少佐：1944年8月31日 - 10月28日戦死

脚注

『艦長たちの軍艦史』415頁による。

参考文献

雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
* 福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1

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