伊号第六十七潜水艦

伊号第六十七潜水艦について

伊号第六十七潜水艦（いごうだいろくじゅうななせんすいかん）は、日本海軍が運用した潜水艦の一隻であり、伊百六十五型潜水艦の3番艦として知られています。艦は1929年に起工され、1931年には進水、1932年には正式に竣工しました。当初は呉鎮守府に所属し、1937年には予備艦となりました。しかし、その運命はさらに過酷なものとなりました。

艦歴

伊号第六十七潜水艦は、艦型名が変更されることもありましたが、特に1940年の夏、南鳥島南方沖での訓練中に悲劇的な沈没事故に見舞われることになります。1940年8月29日に行われた連合艦隊の応用訓練中、艦は水上機母艦瑞穂の搭載機の制圧を受けて急速潜航を実施しましたが、原因不明のまま沈没しました。

事故の結果、艦長の大畑正中佐や第30潜水隊司令の奥島章三郎中佐を含む88名の乗員、さらには演習審判官1名が全員殉職しました。事故の原因は、瑞穂の搭載機からの情報をもとに推測され、急速潜航をはじめる際に後部昇降口が閉鎖されておらず、潜航直後から浸水が始まり、結果として艦は敗北したと伝えられています。

歴代艦長

伊号第六十七潜水艦全期間を通じて、複数の艦長が艦の指揮を執りました。最初の艤装員長は福沢常吉少佐で、1931年から1932年にかけて艦を見守りました。その後も艦長は変遷を遂げ、水口兵衛少佐、大山豊次郎少佐、杉浦矩郎少佐など、数名が艦の指揮を行いました。最後の艦長である大畑正中佐は、任務中の事故により殉職し、その悲劇的な結末がこの艦の歴史に刻まれることとなりました。

参考文献

この艦に関する詳細は、雑誌「丸」編集部の『ハンディ版 日本海軍艦艇写真集19巻』や、勝目純也著の『日本海軍の潜水艦 - その系譜と戦歴全記録』、海軍歴史保存会の『日本海軍史』に詳しい情報が掲載されています。また、外山操の『艦長たちの軍艦史』も、艦長の詳細なリストを提供しています。これらの資料によって、伊号第六十七潜水艦の歴史的な価値を理解することができるでしょう。

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