伊号第百七十二潜水艦

伊号第百七十二潜水艦

概要

伊号第百七十二潜水艦は日本海軍の潜水艦で、伊百六十八型潜水艦（海大VI型a）の5番艦です。この艦は最初に伊号第七十二潜水艦として命名されました。特に第二次世界大戦中に活動した潜水艦として、その戦歴は注目されます。

艦歴

艦の歴史は1933年の起工から始まります。三菱神戸造船所で1933年12月16日に起工され、1935年4月6日に進水しました。1937年1月7日には竣工し、呉鎮守府に配属されます。二つの艦名変更と部隊編成を経て、同年の6月1日には艦型名が伊六十八型に改められました。

1941年11月には、第3潜水戦隊に所属し佐伯を出航、次いでクェゼリンに向かいました。この艦の戦歴の中で特に注目すべきは、ハワイ作戦への参戦です。1941年12月にはハワイ島のヒロ湾で砲撃を行い、オアフ島沖でアメリカの貨物船「プルーサ」を雷撃し、沈めることに成功しました。

1942年の活動

1942年に入ると、伊号第百七十二潜水艦はさらにハワイ方面での活動を続けました。同年1月23日にはアメリカ海軍の給油艦「ナチェス」を撃沈し、戦果を挙げます。戦局は厳しさを増す一方であり、艦は修理のために呉に戻ることになります。その後、5月20日には艦名が「伊号第百七十二潜水艦」に変更されました。

8月にはトラックを出航し、ソロモン諸島やガダルカナル島方面の偵察を行いましたが、その行動のなかで運命を迎えることになります。1942年11月3日、サンクリストバル島南西沖で輸送船団を発見したとの報告が最後となり、その後、敵艦艇の攻撃により失われてしまいました。

戦没

第12潜水隊に属しながら艦は消息不明となり、最終的に11月27日に亡失と認定されました。艦長の大田武少佐を含む91名の乗員全員が戦死するという非常に悲劇的な結末を迎えました。撃沈した船舶の総数は2隻、トン数は12,496トンに達しました。

歴代艦長

伊号第百七十二潜水艦には数名の艦長がいました。艦施工業務を統率していたのは南里勝次少佐で、初代艦長として1937年から1937年末までこの艦を指揮しました。
その後、栢原保親少佐、堀武雄少佐、小泉騏一中佐と続き、艦長としての任務を執行してきました。1941年には戸上一郎少佐が指揮を執り、最終的には1942年の6月から11月にかけて大田武少佐が艦長に就任しました。

参考文献

この艦に関する詳細な情報は、さまざまな文献に記載されています。たとえば、雑誌「丸」編集部が発行した『ハンディ版 日本海軍艦艇写真集』や、勝目純也氏の『日本海軍の潜水艦』などが挙げられます。また、海軍歴史保存会からの『日本海軍史』や外山操氏の『艦長たちの軍艦史』も、艦に関する研究の貴重な資料となっています。

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