戸上一郎

戸上一郎（とがみ いちろう）は、生年不明ながら、1942年（昭和17年）12月9日に戦没した大日本帝国海軍の軍人です。熊本県出身で、最終階級は海軍少将です。

1923年（大正12年）に海軍兵学校（51期）を卒業し、海軍に入隊しました。その後、潜水艦乗りとしてのキャリアを積み重ね、海軍大尉に昇進。伊号第六十潜水艦水雷長兼分隊長を経て、1936年（昭和11年）には呂号第六十潜水艦、呂号第六十一潜水艦、呂号第六十二潜水艦の各艦長を兼任するという異例の人事を経験しました。その後も、呂号第六十五潜水艦、伊号第百七十二潜水艦、伊号第三潜水艦の艦長を歴任し、その間に海軍中佐へと昇進しました。

太平洋戦争中の1942年（昭和17年）12月9日、彼が艦長を務めていた伊号第三潜水艦はソロモン諸島方面で沈没し、戸上は戦死しました。その功績が認められ、翌年の1943年1月6日には、二階級特進で海軍少将に任じられました。

経歴詳細

1923年（大正12年）7月14日：海軍兵学校（51期）を卒業、海軍少尉候補生として浅間乗組
1924年（大正13年）12月1日：海軍少尉に任官、比叡乗組
1926年（大正15年）12月1日：海軍中尉に任官
1929年（昭和4年）11月30日：海軍大尉に任官、呂号第六十六潜水艦乗組、伊号第六十潜水艦水雷長兼分隊長
1936年（昭和11年）2月15日：呂号第六十潜水艦艦長、呂号第六十一潜水艦艦長、呂号第六十二潜水艦艦長を兼任
1936年（昭和11年）12月1日：海軍少佐に任官
1937年（昭和12年）3月20日：呂号第六十五潜水艦艦長
1941年（昭和16年）8月20日：伊号第百七十二潜水艦艦長
1942年（昭和17年）5月20日：伊号第三潜水艦艦長
1942年（昭和17年）11月1日：海軍中佐に任官
1942年（昭和17年）12月9日：伊号第三潜水艦沈没によりソロモン諸島方面で戦死
1943年（昭和18年）1月6日：戦死認定、二階級特進で海軍少将に任官


家族

長男は海軍兵学校在校中に終戦を迎え、後に神戸大学の名誉教授となりました。また、孫には龍谷大学の教授である浜井浩一がいます。戸上一郎の血筋は、学術の世界にも受け継がれています。

栄典

* 1928年（昭和3年）11月10日：大礼記念章（昭和）を授与

戸上一郎は、潜水艦乗りとしてその生涯を海軍に捧げ、太平洋戦争という激動の時代に散華しました。彼の功績は、今日の我々にも語り継がれています。

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