伊東悌次郎

伊東悌次郎の生涯

伊東悌次郎（いとう ていじろう）は、1854年に生まれた幕末の会津藩士であり、白虎隊の隊士として名を馳せました。彼は藩士の家に生まれ、幼い頃から優れた学業の持ち主でした。実際には11歳で藩校・日新館に入学し、一番組に編入された彼は、その努力から藩から多くの賞賛を受けることとなります。

幼少期の才能

悌次郎は父・伊東佐太夫の次男として生まれ、母はすみ子でありました。祖父や大伯父が武道に関わっていたことから、悌次郎もまた、柔術や砲術において優れた技量を持ち、さらに馬術にも秀でていました。特に、彼の大柄な体格は、彼にとって有利に働きました。これに目をつけた父は、白虎隊の中二番隊長・日向内記に掛け合い、年齢を偽って白虎隊の隊士としての活躍を許されました。

白虎隊としての活動

白虎隊として出陣する際、彼は両親から名刀・備前兼光を贈られ、期待に胸を膨らませて戦場に向かいます。1868年8月22日、悌次郎は藩主・松平容保に従って滝沢に向かいましたが、新政府軍との激しい戦闘に直面し、彼の部隊は勝利を収められないまま退却を余儀なくされました。

自刃という選択

翌日、負傷した仲間である池上新太郎を助けようと奮闘しているうちに、悌次郎は仲間の白虎隊士たちよりも遅れて飯盛山に到達しました。そこで彼は、すでに自刃した同士たちの姿を目にし、深い悲しみに襲われました。彼は、自らの信念に従い、仲間とともに自らの命を絶つことを決意しました。享年わずか15歳でした。

死後の悌次郎

戦後、悌次郎の親友である井深茂太郎の遺族が、茂太郎の死地を占いで探し当てた際、彼らは悌次郎の遺骸も共に発見しました。遺族は悌次郎の遺骸を飯盛山の自刃の地に留め置き、彼の遺髪のみを持ち帰って菩提所に埋葬しました。これにより、悌次郎は戦の悲劇の中で生きた証を残しています。

まとめ

伊東悌次郎の物語は、若くして命を落とした一人の武士の伝説として、今なお人々の心に残っています。彼の勇気と忠誠心は、白虎隊という集団を象徴する存在として、大いに称賛されています。悌次郎の墓は、福島県会津若松市の飯盛山に所在し、彼の心を偲ぶ多くの人々が訪れています。

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