伊狩章

伊狩章（いかり あきら）

伊狩章は、1922年3月31日に生まれ、2015年3月19日に逝去した日本の国文学者です。新潟大学の名誉教授であり、叙正四位を授与されています。

生涯

1922年3月、伊狩章は新潟県村上市小町で誕生しました。学問の道に進み、1947年に東京帝国大学文学部国文科を卒業。その後も研究を続け、1952年には同大学院（旧制）を修了しました。研究生活を終えると、教育者としてのキャリアをスタートさせ、弘前大学助教授を経て、1959年に新潟大学助教授に就任しました。1969年には教授に昇任し、1980年には人文学部長を務めました。1987年に新潟大学を定年退官し、名誉教授となりました。

伊狩章は、近代文学および近世戯作を専門とし、特に後期硯友社文学の研究に力を注ぎました。

業績

伊狩章の研究は、日本の国文学界に大きく貢献しました。1957年には、その業績が認められ、「後期硯友社文学の研究」により東京大学国語国文学会賞（久松賞）を受賞しました。また、長年の教育・研究活動が評価され、1996年には勲二等瑞宝章を授与されています。

著書

伊狩章は、数多くの著書を執筆し、後世に貴重な研究成果を残しました。

『新国語国文学講座 第2巻第2 近代小説』黄鶴書房　1957年
『後期硯友社文学の研究』矢島書房　1957年
『硯友社の文学』塙選書 1961年
『柳亭種彦』人物叢書 吉川弘文館 1965年
『硯友社と自然主義研究』桜楓社 1975年
『幸田露伴と樋口一葉』教育出版センター 1983年 （以文選書）
『鴎外・漱石と近代の文苑』翰林書房2001年

共編著

『現代日本文学』石丸久・村松定孝共編著 矢島書房 1955年
『會津八一・吉野秀雄往復書簡』岡村浩・近藤悠子共編 二玄社 1997年
『祖父忠藏 伊狩洋服店栄枯盛衰』伊狩忠太郎共著 考古堂書店 2003年


伊狩章のこれらの著作は、近代文学研究において重要な資料となっており、現在でも多くの研究者に参照されています。

人物

伊狩章は、温厚な人柄で多くの学生や研究者から慕われていました。教育者としても優れており、多くの人材を育成しました。また、研究者としても常に真摯な姿勢で研究に取り組み、その成果は国文学界に大きな影響を与えました。

伊狩章の功績は、日本の国文学の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

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