伊能忠敬測量の碑・星座石

伊能忠敬測量の碑・星座石について

伊能忠敬測量の碑

江戸時代後期の測量家、伊能忠敬が日本地図作成のために行った測量。その過程で、1801年（享和元年）に現在の岩手県釜石市唐丹を訪れたことを記念して建立されたのが「伊能忠敬測量の碑」です。この碑は1814年（文化11年）、地元の天文暦学者である葛西昌丕によって建てられました。

忠敬は、蝦夷（現在の北海道）での第一次測量を終えた後、1801年に第二次測量として伊豆から東日本の海岸線を測量しました。当初は順調に進んでいたものの、陸前高田や大船渡から北は、船から対岸の目印を計測するなど困難を極めたとされています。国土地理院の地図と比較しても、忠敬の地図は非常に正確ですが、岬付近には不自然な点も残っています。2001年（平成13年）には、忠敬の測量200周年を記念して「伊能忠敬海上引縄測量之碑」が建てられ、当時の測量が海上から行われたことを示しています。

この「伊能忠敬測量の碑」は、江戸時代に忠敬の功績を記念して建てられた唯一のものであり、その歴史的価値は非常に高いと言えるでしょう。

星座石

測量の碑と同様に、葛西昌丕によって建立されたのが「星座石」です。石の中央には「北極出地丗九度壱拾弐分」と刻まれ、その周囲には黄道十二宮と十二次が刻まれています。十二宮の3番目は通常「双児宮」ですが、この石には「陰陽」と記されている点が特徴的です。また、長年の風化によって原碑文の表面が損耗しているため、副碑も設置されています。

この星座石は、当時の天文学や暦学に関する知識を知る上で貴重な資料となっています。また、測量技術と天文学が密接に関わっていた時代背景を示すものでもあります。

交通アクセス

• - 三陸鉄道リアス線 唐丹駅より徒歩約43分
• - 唐丹駅前からバスで本郷下車後、徒歩すぐ
• - 駐車場から小高い丘を登り、右側の道を進むと碑にたどり着きます

外部リンク

• - 伊能忠敬 三陸測量の軌跡 – 三陸国道事務所釜石維持出張所

この碑と星座石は、伊能忠敬の偉業を偲ぶだけでなく、江戸時代の測量技術や天文学の発展を伝える重要な史跡です。釜石市を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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