伊藤信

伊藤信（いとう のぶ）

伊藤信は、1887年（明治20年）に生まれ、1957年（昭和32年）12月19日に没した、日本の郷土史家です。岐阜県海津市出身で、号を竹東と称しました。漢詩人である高木竹軒に師事し、漢学の素養を深めました。

生涯

伊藤信は、海津郡西江村稲山（現在の海津市海津町）に生まれました。幼少の頃から祖母から素読を学び、旧高須藩士の山内虎二や、高須町の市川薫精に師事して学問を修めました。岐阜県師範学校を卒業後、岐阜県下の旧制中学校や高等女学校で教鞭を執りました。

1931年（昭和6年）には、阿部栄之助とともに美濃郷土研究会を創立し、地域の歴史研究を牽引しました。1937年（昭和12年）には、著書『濃飛文教史』を刊行し、地域文化史の研究に大きな足跡を残しました。また、梁川星巌の研究にも力を注ぎ、その業績を広く紹介しました。

伊藤信は、漢詩にも造詣が深く、「岐阜藍水同声吟社」の盟主として、漢詩文化の振興にも貢献しました。大垣市立図書館長に就任してからは、図書館の発展に尽力し、敗戦後には貴重な資料の避難にも奔走しました。

主な著作・編著

『梁川星巌翁附紅蘭女史』
『大垣市史』
『梁川星巌全集』
『濃飛百家絶句』
『濃飛文教史』
『宝暦治水と薩摩藩士』
『岐阜県治水史』
『赤坂町史』
『堂洞城址懐古　竹東山人（伊藤信）』
遺稿『細香と紅蘭』
その他多数


これらの著作や編著を通して、郷土の歴史や文化を後世に伝えることに大きく貢献しました。

逸話

最後の大垣藩主であった戸田氏共（うじたか）から、書斎に「景星閣」という名前の扁額を贈られたという逸話が残っています。これは、伊藤信の学識と人柄を高く評価していたことの証と言えるでしょう。

関連項目

郷土史
歴史家
日本の郷土史家一覧

外部リンク

* 伊藤信

伊藤信は、郷土の歴史と文化を愛し、その研究と普及に生涯を捧げた人物でした。彼の業績は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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