伊藤満洲雄

伊藤満洲雄

伊藤満洲雄（いとう ますお）氏は、1932年（昭和7年）3月30日に誕生した日本の実業家です。その系譜は初代内閣総理大臣である伊藤博文氏に連なり、満洲雄氏は博文氏の次男・眞一氏の息子にあたるため、曾孫に位置づけられます。

生い立ちと学歴

満洲雄氏は、兵庫県川辺郡塚口（現在の尼崎市）で生を受けました。彼の名前「満洲雄」は、生まれた同じ年に建国された満州国に由来するとされています。父親である眞一氏は、当時南満州鉄道に勤務していましたが、満洲雄氏の誕生前年には大阪勤務となっていました。

少年期は虚弱体質に悩まされ、大阪市立曽根崎小学校に入学した年の秋には肺炎で入院するなど、病に伏しがちな日々を送りました。両親は彼の健康状態を深く案じていたといいます。その後、塚口小学校へ転校し、さらに父親の転勤に伴って東京の青南小学校へ移ります。太平洋戦争の激化に伴い、疎開のため滋賀県へ移り、瀬田町立瀬田国民学校へ転校しました。滋賀での生活を続けながら滋賀県立膳所中学校へ入学しましたが、終戦後に東京都立第一中学校へ再び転校しています。都立一中時代には、個人的に英語を学ぶ機会を得ており、転居先がたまたま吉田健一氏の旧宅であったことから、吉田氏本人から教えを受けたというエピソードも残っています。

高等学校卒業後、国内最高学府である東京大学へ進学し、法学部を卒業しました。

職歴と事業

大学卒業後、伊藤氏は住友軽金属工業株式会社に入社しました。非鉄金属関連の業務を中心に携わり、キャリア後半にはアルミニウム精錬事業に深く関わります。しかし、同事業を担っていた住友軽金属アルミニウムは1982年に解散しました。住友軽金属工業在籍中の1963年には、スイス・ジュネーブにあるインターナショナル・マネージメント・インスティテュートへ派遣され、国際的なマネジメント研修を受けています。

住友軽金属工業を離れた後、1990年にブルーベル・インフォメーションを設立しました。同社は主に大企業向けに語学サービスを提供する事業を展開し、実業家としての新たな基盤を築きました。

実業活動の傍ら、社会的な活動にも関与しており、2014年には国際福祉環境推進機構の理事長に就任しました。この役職は2021年に退任しています。

伊藤満洲雄氏は、伊藤博文という偉大な曾祖父を持つ家系に生まれながらも、病弱な少年期や度重なる転校、そして企業人としてのキャリアを経て、自ら事業を興すなど、多岐にわたる経験を積んだ人物と言えるでしょう。

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