伊藤真 (弁護士)

伊藤 真 (いとう まこと)

伊藤真は1958年6月14日生まれの日本の弁護士・教育者であり、現在は伊藤塾の塾長および法学館憲法研究所の所長を務めています。東京都に生まれた彼は、中学生の頃に家族と共にドイツに移住し、その後日本に戻りました。東京学芸大学教育学部附属高等学校を卒業した後は、理系を目指しましたが、東京大学文科一類に進学しました。

1981年には法学部在学中に司法試験に合格し、同年度には東京法律会計事務所に入所し、弁護士としての活動も始めました。その後、東京リーガルマインド（LEC）での講師活動を経て、1995年に受験予備校の伊藤塾を設立しました。設立前には東京リーガルマインドからの訴訟に勝利し、その後も塾長として受験指導や講演活動を続け、特に日本国憲法に関する講演が特徴的です。

経歴と功績

伊藤真は、受験指導を行いつつも、憲法の意義を広めるために多くの講演や執筆活動を展開しています。特に九条の会での講演や法学館憲法研究所での活動を通じて、護憲派の論客として広く知られるようになりました。彼はまた、2008年に法学館法律事務所を設立し、弁護士業務を再開しています。

彼のモットーは「やればできる! 必ずできる! そして本物になる」であり、その信念を受験生にも伝えるため、試験会場に訪れ、激励の手紙を配布しています。特に法学を教える際には、学生が現実の社会問題にどのように対応するかを重視し、実践的な観点からの指導を行っています。

主張と護憲に関する見解

伊藤は護憲派であり、自衛隊の活動や集団的自衛権に対する見解を持っています。彼は「積極的非暴力平和主義」を提唱し、戦争の根本的な原因を取り除くための国際貢献を重視しています。伊藤は、自衛隊とアメリカ軍が一緒に行動することによって、日本が敵対的な状況に置かれる可能性が高まると警鐘を鳴らしています。また、彼は日本が軍隊を持つことで生じる問題についても懸念を示しています。

彼はまた、集団的自衛権の行使について国民の意見をまず問うべきと主張し、憲法改正のプロセスが必要であると強調しています。政治が国民の意志に基づき進められるべきであり、立憲主義を重視すべきだと訴えています。これにより、平和的な国際社会の形成が可能になるとの信念を持っています。

著書とメディア出演

伊藤真は多くの著作を持ち、受験参考書や一般書においても著名です。特に「明日の法律家へ」シリーズや、「憲法のことが面白いほどわかる本」などが知られています。テレビ出演においても、憲法に関するテーマでの発言が注目されており、社会の様々な問題について意見を表明しています。

伊藤真は、その教育者としての姿勢、法律家としての活動、そして護憲派としての明確な立場を貫きながら、日本国憲法の意義を広め続けています。彼の活動は、憲法や法律の理解を深めるために貢献し、多くの人々に影響を与えています。

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